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働きがいと働きやすさはイコールではない

経営のヒント
2022.07.22

パナソニックホールディングスの子会社で、役員賞与に従業員の働きがいを反映させる制度を導入したことが話題になっています。働きがいはSDGsの項目の一つに選ばれており、最近様々な場面で取り上げられることが増えました。

しかしそもそも働きがいとは何なのでしょうか?世の中の従業員満足度調査の項目を見ると、報酬や福利厚生や労働環境、教育制度、人間関係などの項目が多い印象がありますが、それは働きがいというよりもむしろ働きやすさの側面が強いと思います。

勿論、休みが多くて給与も高く、各種制度が充実している方が、従業員は幸せを感じることは多いと思います。しかし給与が高くて労働環境が良ければ働きがいを感じることができるのか?「働きやすいこと」と、「働きがい」は必ずしもイコールではないと思います。

 

働きがいの源泉は自分の強みを生かし、お客様や社内の仲間、広い意味では世の中に貢献していることを実感できるかどうかだと思っています。

以前、プロジェクトXで青函トンネルがテーマになった回を視聴したことがあります。当時は24時間体制で工事が続き、現場は常に気温30度、湿度90%の蒸し風呂状態だったそうです。そして工事基地は人の住めない不毛の地と言われていた竜飛崎。強風が吹き荒れ宿舎の屋根が風で飛ばされたこともあるような場所です。

そのような過酷な環境の中、19年間工事に携わっていた大谷さんという方のコメントが印象に残っています。

「青函トンネルを掘らせてもらったことを誇りに思っています。」

これ以上に無いほどの劣悪な労働環境の中、トンネルを掘り続けたことに対し“掘らせてもらった”という言葉が出てくるとは想像もしていませんでした。

青函トンネルの建設のきっかけは、昭和29年に1400名以上が犠牲になった洞爺丸事故。タイタニック号に続く史上2番目の海難事故です。このような事故を二度と起こさないようにという思いで史上空前の海底トンネル工事がスタートしました。

番組に出演していた大谷さんも、このような悲惨な事故を繰り返したくないという強い使命感を持ち、トンネルマンとして誇りをかけて仕事をしていたのだと思います。だからこそ、決して働きやすい環境ではない中でも働きがいをもって仕事ができたのでしょう。

 

最近、働き方改革の流れもあり、貢献するための努力もたいしてせず、労働環境や福利厚生ばかり気にする社員が増えている気がします。確かにワークライフバランスの観点は重要で、家庭も友人も自身の健康も蔑ろにすべきではないと思います。そして法律で決まった労働時間を守ることは大前提です。

しかし昨今、働きやすさの追求にばかり目が行きがちではないでしょうか。それぞれが強みを生かして世の中にどう役に立てるのかという部分をもっとフォーカスして欲しいと思います。そして会社に待遇改善を求めるばかりでなく、一人一人が主体的にそういう意識を持ってもらいたいものです。世の中に貢献して働きがいを感じている前提があるからこそ、仕事以外のことも本気で楽しめるのではないでしょうか。


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