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消費支出と消費者物価指数の動向から、今後の家計を考える

経済トピック
2022.07.29

日本の消費者物価指数は、2022年の4月以降、前年比で2.0%上昇しています。

(消費者物価指数の前年比は20224月:2.1%5月:2.1%62.2%で増加)

 

日本の消費者物価指数が上昇している要因は、エネルギー価格の上昇や円安による輸入物価の上昇で、特に食品関連が強く押し上げるコストプッシュ型インフレであるといえます。

 

皆さんの中でも実感している人は多いと思いますが、消費者物価指数の上昇は家計の支出にも大きな影響を与えます。

 

今回は、20年前、10年前の家計の支出と、消費者物価指数を比較することで、今の物価上昇がどれだけ家計に影響を与えているかを考察したいと思います。

 

■家計の支出の推移

家計の支出については、「消費支出2人以上世帯」というデータを使用して、比較していきたいと思います。

※消費支出2人以上世帯は総務省が全国約9千世帯を対象として、家計の収入・支出、貯蓄・負債などを毎月調査している指標です。

 

今回は、20025月、20125月、20225月の消費支出を比較しました。

 

まずは、下記の表をご覧ください。

1か月あたりの支出額合計をみると、20025月が一番高く、20225月が一番低くなっています。1か月の消費支出を20年前と比較すると、約4,200円支出が減っていることが分かります。

 

次に、消費支出の内訳の中でも食料品の変化をみてみます。

食品の支出は、米や魚介類の支出が減り、パンや肉類、調理食品が増えていることが分かります。

20年前、10年前と比較すると、食生活の変化が良く分かります。

食の選択肢も増える中で、日本人は魚やお米を食べなくなり、また共働き世帯も増えた影響で調理食品(冷凍食品や総菜など)が増えているということが想定されます。

 

最後に、その他の消費支出の中で、増加や減少の変化が大きいものを記載します。

20225月と20025月の20年間を比較して、一番増加している項目は「電気代」です。皆さんの中でも、電気代が上がっていることに関しては実感している人も多いと思います。

 

次に増加している項目は「通信費」「保険医療」「自動車等購入」です。

自動車離れやカーシェア等が広がっている中で、自動車購入の費用が20年前よりも増えていることは少し意外な結果です。

 

支出が減っている項目で減少額が大きなものは「こづかい」や「交際費」です。

交際費に関しては、20225月の数字はコロナから完全に回復した状況ではないことは加味しないといけないと思いますが、生活に必須ではない自由に使えるお金の支出が減っていることが分かります。

他には、「地代家賃」、「被服及び履物」という項目が減少しています。

 

日本の平均給与は1992年をピークにこの30年間ではほぼ横ばいの状況です。

そんな中、エネルギーや食品の値段が上がった分、交際費や洋服代、家賃の支出を減らしているという状況になっているのだと思います。

 

■消費者物価指数の上昇も合わせて考える

 

消費者物価指数について考えると、より家計は逼迫していることが分かります。

 

先ほどまで述べていたのは、名目としての支出金額の増減です。

そこには、物価の上昇などの調整はされていません。

 

2002年、2012年、2022年はそれぞれ物価が違います。

同じ500ミリリットルのペットボトルの水1本でも、90円の時もあれば、100円の時もあります。

 

総務省が毎月統計を発表している消費者物価指数(2020年基準)で比較すると

20025月は96.1

20125月は94.9

20225月は101.8 となっています。

※消費者物価指数(2020年基準)とは、2020年の物価を100として、各年の物価を示したものです。

 

この消費者物価指数の差を具体的に考えると、

例えば2020年に100円で買えていたペットボトルの水を買うには、

2002年は96.1円、2012年は94.9円と2020年より安い価格で購入でき、2022年は101.8円が必要ということです。

 

つまり、2人以上世帯の消費支出も、名目の支出額だけみると

20025月と20225月を比較して約4,200円減っているだけのように見えますが、

消費者物価指数の差を考えると、名目金額以上に使えるお金が減っているという感覚になる人もいると思います。

 

仮に、2020年の物価水準に換算すると、各年の消費支出は下記の表のようになります。

※消費者物価指数調整後の消費支出は、各年の支出額を2020年の物価水準に換算したものです。

 

20年前と比較して、名目では約4,200円の差でしたが、物価指数を加味すると、

20,000円分の差があるということです。

もちろん、消費者物価指数も全ての項目が一律に上がっているわけではないため、皆さんの消費の内容によってはそこまで差を感じない人もいると思います。

 

今回お伝えしたかったことは、2点あります。

1つは、1年ごとの比較ではなかなか分からないことも、10年前、20年前を比較すると見えてくるものがあるということ。微差も、積み重ねれば大差になるということです。

 

もう1つは、消費支出や賃金については、名目だけでなく、物価の上昇なども加味した実質の金額を考えて頂きたいということです。

実質金額で考えることで、実際に皆さんが感じている景況感に近くなると思います。

名目だけの差で何か違和感があれば、実質の変化まで考えると良いと思います。

 

諸外国の状況を考えると、日本も物価はまだ上がると想定されます。

今回の内容が、皆さん自身の収入や支出について、名目の金額だけでなく、物価と合わせた実質の金額を考えるきっかけになれば幸いです。


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