6月12日に世界経済フォーラム(WEF)が男女平等の実現度合いを占める「ジェンダー・ギャップ指数」を発表しました。
日本は調査対象の146か国中118位です。過去最低の125位だった昨年よりも改善とのことですが、新聞の見出しを見てやはり唖然としてしまう順位です。
日本のひとつ上はネパール、ひとつ下はアフリカのコモロ連合。対して、トップ3には北欧諸国が並びます。
そんな記事を目にしたあと、6月17日のNHKの番組「クローズアップ現代」で「女性たちが去っていく 地方創生10年・政策と現実のギャップ」という特集が放送されました。
民間の有識者グループ「人口戦略会議」の分析によると、日本全国のうち744の自治体が消滅可能性自治体であり、その根拠が20代~30代の若年女性人口の減少にあるとのこと。
若年世代の地方からの流出がいわれて久しいですが、10年間で全国33の道府県で男性より女性が多く流出しており、中には男性の2倍の流出がある地域もあるそうです。
女性が生まれ育った地域を離れる主な理由には、自分が思うように生きられないということがあるようです。
若い女性たちが当たり前のように責任を持ち働きがいのある仕事をしたいと思っていても、女性は補助的な仕事しか与えられない現状がまだまだあること、子どもを産む役割を強制的に押し付けられるように感じていること、家庭でも女性としての役割をわきまえることへの圧力があることなどが、特に地方ではいまだに根強いことを伝える内容でした。
私も30年も前に同じように感じ田舎を出ましたが、これだけの時を経ても変わらない現実に打ちのめされます。
地元愛を持って故郷で仕事を探しても、女性だからとやりたい仕事に就けず、仕事を頑張ることに家庭や社会の理解が得られず、諦め故郷を離れる女性たち。
女性たちがいない地元で結婚を諦める男性たち。
少子化を受けて政策や自治体の努力は「子育て支援」に手厚く向かっていても、その手前に大きな問題が横たわっているのです。
番組では一部の企業さんの取り組みも取り上げられていました。
女性の意志をきちんと汲み、フェアに評価をして活躍してもらおうという動きです。
弊社のお客さまでも、しっかり女性に公平に活躍してもらう取り組みをされている地方の企業さんもいらっしゃいます。
風土や意識を変えるには、教育やルールを変えることなど地道な取り組みももちろん必要ですが、政策を待たず、民間から、企業から、できることは大きいように感じます。
これからの世代が希望を持てる社会をつくるため、まずは問題とその本質を知り、試行錯誤することから始められたらと思います。
【コンサルタント:大田 潤子】