弊社のコラムシリーズ「今週の言葉」は、名言・至言から現代の経営者の言葉まで、時代・ジャンルを問わず、経営やその考え方に役に立つものをご紹介するのが趣旨となっています。弊社スタッフがこれまでご紹介してきた言葉、すなわち各々の世界で有名な人々が語ったそれらの言葉は、読む人に強い影響を与え、賛同を得続けているものが多いです。

私自身も様々な言葉に出会い、豊かな気持ちになったり、時には救われたり、素直に学んで実践したいと思ったりしています。また同時に、その言葉を発したであろうその人の（活躍した）世界や立場に想いを馳せ、畏敬の念を抱くこともあります。

さて、仮にまったく同じ言葉を私のようなごく普通の一般人が述べたら、同じように「名言」として受け入れてもらえるのでしょうか。おそらくそんなことは全くなく、「何をそんなご大層なことを」となるのが関の山です。そう考えるとやはり、名言と、発した本人の特定分野での活躍はセットであり、活躍があって初めて、彼らの言葉の中から「名言」が生まれていると思います(*)。

皆さまにおかれましては、「自分で名言を作るとしたら、どんな言葉（一文）があるか」と意識的に考えてみてはいかがでしょうか。

弊社コラムを読まれる皆さまは社長・経営陣としてご商売で活躍しておられます。ですので、その活動の中で磨き込まれた考え方をぜひ言葉にしたため、できれば社内で発信をいただきと思います。

実はこれらの言葉群を取りまとめた先に、経営者による経営への考え方である「経営理念」（企業理念とは異なる）や、社に関わるすべての人に望まれる言動である「行動指針」（行動規範/行動原理とも）があります。創業者であればこれらをかつてご自身で作られたと思いますが、どのような経緯・立場であれ、いま一度、「名言を生み出す」という切り口で、ご自身の経営のあり方を振り返ってみるきっかけにしていただければと思います。

(*)「名言」にとって特定分野での活躍は必ずしも必要条件ではなく、また、「名言かどうか」は本人ではなくて周りが決めるものではあります。