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人生にもビジネスにも消しゴムはいらない

知恵のバトン
2020.10.09

あるオンラインセミナーに参加したときのことでした。パネリストの方が、幼いころ絵画教室に通っていたときの話をしていました。その教室では、描きそこなっても消しゴムで消さないようにと教えられていたそうです。なぜだと思いますか…?

わたし自身は「たしかに、絵を描くのに正解も間違いもないよな」と思いました。そのつもりで妻にこの話をしたら「あー、なるほど、消せないと思えば間違えないようにと集中するもんね」というリアクションが戻ってきました。人によってずいぶん捉え方が変わるものです。妻の反応は、確実に、着実に、計画通りにというところだと思います。一方で、絵を描くときの発想の自由を奪ってしまうかもしれません。わたしの方は、良く言えば、おおらか、悪く言えば、行き当たりばったりです。

絵に限らず、文章もそうですが、表現したいことのすべてがはじめからはっきりしているわけではなく、表現が決まってから言いたいことがはっきりすることがあります。書き始めたら、「そうそう、これが言いたかったんだよ」ってよくありますよね。わたし達は、書きながら絶えず自分が書いた表現を理解しようとし、また、自分の表現しようとしていることは何かをはっきりさせようとして「自己内対話」を行っているのです。この対話は、誰かとの間でも起きます。ホワイトボードを使って議論しているときなどがそうです。このとき書いていることを安易に消してしまうと、自分たちがやろうとしていることを理解する対話の芽を摘んでしまうことになります。

冒頭のオンラインセミナーのパネリストさんは、消さずに、目の前にあるものを活かして描くことで、創造性が育まれるということをおっしゃっていました。その話を聞きながら、その過程には三つの創造があるように思いました。実際に計画した意図を形にするためのHowの創造、得られた結果から、次に何をすべきかを意図するWhatの創造。そして、何のために書いているのかというWhyの創造です。

ここで言っているWhyは、目的や存在意義と言い変えることもできます。目的というと最初から定まっているもの、変わるべきではないものと思う方もいると思います。しかし、わたし達が目的だと思っていること、つまり、何のためにそれをしているかという思いは、実行して対話し、振り返ることでより深まっていくものです。ところが、表現にしばられてしまい、本当に大切にしたいことが十分に腹に落ちていないということも多いように思います。綺麗すぎる経営理念などがこれにあたります。

アフターコロナをどう進んでいくかという議論が盛んです。今回起きていることは、まったく意図していないことでした。しかし、ただ過ぎ去ることを期待するのでは、今回の経験を消すことに等しい。今、できることは何か、次やるべきことは何かを考えようという議論が大切です。そして、そのことを通じて、自分たちの存在意義への理解も対話を通じて深め、アップデートしていきたいところです。


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