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優れたファシリテーターは意見を引き出さない

知恵のバトン
2021.05.25

ファシリテーションをしていて、「意見を引き出すのうまいですね」とフィードバックをもらうことがあります。有難いことです。ただ、わたしとしては、意見を「引き出す」つもりはありません。わたしがファシリテーションをしているときの感覚は、「いっしょに探している」というものです。それが結果として意見を引き出しているように「見える」のだと思います。
ファシリテーターの役割は大きく二つあります。ひとつは、交通整理です。出てきている意見を構造化して、場に返していきます。もうひとつは「深める」ことです。わたしは、「深める」方に重心を置いています。なぜならば、議論を深めて納得しあわない限り、わたし達は行動しないからです。一人で考えていても見えなかったことを一緒に探し、発見があるから、「みんなでやってみよう」となるのです。
「深める」時に意識しているのは、3つのP、1.Purpose(目的) 2.Perspective(視点)3.Position(立場)です。例えば、議論が紛糾したり、停滞したりするときはたいてい論点を見失っています。「一体何を話しているんだっけ」となるわけです。そこで「もう一度、この議論の目的(Purpose)に立ち返りましょう」と問いかけます。大切なのは結論を急がずに「わたし達が求めていたのはこれだ」という瞬間を待つ姿勢です。そう考えると「論点を見失う」こと自体は必ずしも悪いとは言えません。話し合うことで、ずれを発見できたと捉えられます。つまり、「論点を探す」とは、見失った論点を探すだけではなく、「わたし達が本当に解決したいのは何か」を再発見するプロセスなのです。このとき、「目的は何か」だけを問うても議論は深まりません。どんな視点(Perspective)が他にあるか、別の立場(Position)に立ったらどのようなことが考えられるかをあわせて問うていきます。
3つのPは、話し合われている内容そのものについて整理するフレームです。ただ、もう一つ違った意味での使い方を意識できると会議は劇的に変わります。それは、参加しているメンバーそれぞれがどのような目的、立場、視点で発言しているかを問うことです。情報を整理するだけだったら、一人で考えているのと本質的には変わりません。それぞれのメンバーが、どのような3つのPを持っているかを問うことで、一人ひとりに発見が起こります。また、互いの違いを見出すこともできます。結果として、メンバー間に相互作用が生まれ、議論が深まります。その時に発しているファシリテーターの問いが、意見を引き出すように「見える」のでしょう。


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