特徴ある3つのホテルでの「宿泊サービス」実体験から、顧客が抱く「期待値」と「満足度」について少し考察してみたいと思います。
一つ目は、『期待値を大きく超えた経験』です。物珍しさでの宿泊した「コンテナホテル」が、予想以上の清潔さや快適さ、ユニークさやコンセプトへの共感から「人に伝えたいプチ感動」も味わい、「高い満足度」につながった体験になります。
二つ目は、『期待値を下回った点もあったがトータル満足度は高かった経験』です。いわゆる「元祖御三家ホテル」の宿泊で、細部サービスが少々気にはなったが、トータルで「高い満足感」を得られた貫禄の体験になります。
三つ目は、『高い期待値を裏切られた経験』です。「ロボットホテル」として最先端さやユニークさを売りにした話題のホテルで少々過剰な期待値を持ちすぎたか、期待外れで「低い満足感」となった体験になります。
ホテルサービスは比較的わかりやすい事例になりますが、商品やサービスがあふれ他社差別化や優位性維持が厳しく難しくなる中で、顧客体験価値(CX)としての「期待値」と「満足度」を高めることは、マーケティングや戦略においての重要性は高く、その把握とそのコントロールは大きなポイントとなることを感じます。
顧客体験価値は5分類されます。
1.感覚的価値(Sense):五感を通じて提供される価値。
2.情緒的価値(Feel):接客など感情面で生まれる価値。
3.創造的価値(Think):知的欲求や創造性を生む価値。
4.社会的価値(Relate):所属やステータスで生まれる価値。
5.ライフスタイル的価値(Act):生活や行動に影響を与える価値。
3つのホテルを考察してみると、
「コンテナホテル」体験は、3が高く、1も高めで、期待を超える満足度を得たケース。
「元祖御三家ホテル」体験は、元々1.2.4.5の総合的価値が高く、動じず満足度を得たケース。
「ロボットホテル」体験は、3が鍵であるも期待を下回り、低い満足度となったケース。
となるでしょうか。
些細なことでもSNSや口コミで話題やニュースになる今の時代、自社商品やサービスがどんな体験価値の期待値と満足度を提供し続けられるのかはマーケティング課題であり、経営を左右しうるとも言えます。
なお、3つのホテルとも個人的に応援したいホテルに違いはありません。そこには、顧客体験価値の有無や評価の前に、企業の理念やビジョン、企業の存在価値や意義への共感や期待が大きく働いているものと感じます。