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浪漫と算盤

経営のお役立ち情報
2021.09.09

昨日は、またまた別のお客様で経営計画策定のセッションでした。
目標は、社長以下の幹部の皆さんと来期の重点施策を決めることです。ただ、本当のところの目的は、社長のワンマン体制を次世代のマネジメントチームへと移行することにあります。

 

▼目次
何のために儲けるのか
浪漫と算盤
浪漫と算盤を行ったり来たりする

 

何のために儲けるのか
こちらは、ある建築部材のメーカーさんなのですが、割と特殊な類のものです。とはいえ、誰でも一度は聞いたことのあるものです。(あまり詳しく書けないのですみません。)
建築部材は、工場から出荷したらおしまいというわけではありません。その製品を使って建物が作られて初めて消費者へ価値が届きます。少なくともここの社長さんは、そういう目線で自分たちのビジネスを捉えています。

 

マーケティングのフレームに4Pというものがありますよね。
Product(プロダクト:製品)
Price(プライス:価格)
Place(プレイス:流通)
Promotion(プロモーション:販売促進)

 

という4つです。これでいうとProductやPriceだけではないということです。単なる町工場で終わらず、川上から川下までを見渡した商社的なモデルとして自社の「儲け方」を捉えています。また、この社長さんと話していると、「何のために儲けるのか」ということがとても大切だといつも気づかされます。「儲ける=利益を出す仕組み」をつくることで、「お客様の生活を良くする」という使命を果たそうとしているのです。

 

…イニシャルトークのようで分かりにくいですね。
たとえば、ユニクロを例にとるとどうでしょうか。売っておしまいでも、造っておしまいでもない、SPA(製造小売業)というモデルが機能していますね。これは何のためにこうした仕組みがあるのでしょうか?
ファーストリテイリングのミッションの一節には
「本当に良い服、今までにない新しい価値を持つ服を創造し、世界中のあらゆる人々に、良い服を着る喜び、幸せ、満足を提供します」
とあります。あくまで、これを実現する手段としてSPAにたどりついているというわけです。そして、今の地位に安住せずに様々にチャレンジを続け、商品でも売り方でも作り方でも働き方でも創意工夫を重ねているのは周知のとおりです。

 

浪漫と算盤
わたしのお客様も、ユニクロの柳井さんに負けず劣らず使命感を持っています。そしてなにより、ロマンを持っています。そこが魅力的な社長です。そして結果も出ています。なぜ、結果が出るかというと、どうやって「儲けるか」を常に考えているからです。つまり、ロマンとそろばんの両方を持っているのです。

 

マトリクスを書くとこんな感じです。

 

③は論外ですが、良い会社だけど、もう一歩の成果が出ない、続かない会社さんは、②④になっている可能性が高いです。事例としているお客様は②の傾向が強いです。みんな会社が好きだし、お客様に喜んでもらうのが好きだけど、良く言えばおおらか、悪く言えばいきあたりばったりのところがあります。「今出ている結果は、結果オーライにすぎない」と社長も警鐘を鳴らし続けています。今回、セッションをやってみて幹部のみなさんに足りないのは、やはりそろばんだと思いました。

 

社長は感覚的に儲ける仕組みが大切なことを理解しています。様々に苦労を重ねたからです。製品を安く作るだけでは、差別化にならない。価格競争に陥るだけ。苦労の割にはなかなか利益が出ない…。なんとかできないか…といった積み重ねがあります。ところが幹部のみなさんはそうではない。とても責任感の強い皆さんですが、それゆえに社長が苦労して決めたことを愚直に実行しているだけだったのです。社長とわたしからすると何とも歯がゆい状況ですが、わたし達にできるのは試行錯誤する機会を作ることだと考えて取り組んでいます。

 

浪漫と算盤を行ったり来たりする
振返ってみると、こうした機会で必要なアウトプットは二つあると思います。
ひとつは、ロマンを語ること。
もうひとつは、ロマンを実現するための儲けの仕組みを考えること
…です。そして、どちらかだけではダメで、行ったり来たりするような活動をデザインすることが大切だと思います。

 

今回はロマンを語ることはある程度できています。一方、儲けの仕組みがまだ弱いです。これを考える際に他社の事例やフレームワークをインプットしたりしています。ただし、これは自分事として試行錯誤して、「ああ、こういうことなのか」と思える体験がないと上の④の平均点止まりとなります。

 

よくフレームワークは役に立たない、現場では使わない、使えないという声を聞きます。これは、フレームワークにあてはめれば解決すると誤解しているからです。様々な先人の試行錯誤の結晶(抽象化)がフレームワークです。だから、自分事として考え、自分たちなりにフレームワークを解釈しながら、試行錯誤する経験を経て、初めて役に立つアウトプットが得られます。自分だけでは持ちえなかった視点を先人たちから拝借しているにすぎないのです。

 

そして、その先人は、同時にロマンを持ち、語りながら勝ちパターンを学んでいったのだと思います。ひきつづき、浪漫と算盤を行ったり来たりしながら、自分たち独自のビジネスモデルを設計し、未来をつくる知恵をお客様と共に見出していきたいと思います。


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