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困難は分割せよ

今週の「言葉」
2022.04.29

今週の「言葉」

「困難は分割せよ」 

-ルネ・デカルト(René Descartes

 

17世紀に活躍した「近代哲学の祖」とも言われる、フランスの哲学者・数学者であるデカルトが著書『方法序説』の中で述べた言葉です。

 

実はこのシンプルな言葉を彼自身は述べてなく、これ自体は井上ひさし著『握手』の中で使われています。実際は「分析の規則」とも言われ、次の通りです。

 

「わたしが検討する難問の11つを、できるだけ多くの、しかも問題をよりよく解くために必要なだけの小部分に分割すること。」(岩波書店、1997年、訳:谷川多佳子)

 

方法序説では第二部で語られ、学問あるいは自分の思想改革のための「方法」を4規則に整理しています。これら規則の下で(堅い不変の決心をもって)探求すれば難問にも到達可能であると。

 

これはとても勇気づけられる命題であり、経営においても、困難な問題・課題に直面したときには、より対処可能なものへと細分化してクリアしていけば解決に近づくのかもしれません。

 

ちなみに、これは第二の規則であり、その他の、明証、総合、枚挙、の3つも重要です(前掲書)。

 

第一 明証性の規則:(略)言い換えれば、注意深く速断と偏見を避けること、そして疑いをさしはさむ余地のまったくないほど明晰かつ判明に精神に現れるもの以外は、何もわたしの判断の中に含めないこと。

 

第三 総合の規則:(略)そこでは、もっとも単純でもっとも認識しやすいものから始めて、少しずつ、階段を昇るようにして、もっとも複雑なものの認識まで昇っていき、自然のままでは互いに前後の順序がつかないものの間にさえも順序を想定して進むこと。

 

第四 枚挙の規則:すべての場合に、完全な枚挙と全体にわたる見直しをして、なにも見落とさなかったと確信すること。

 

経営の文脈では、課題設定でも解決策立案でも、第一は思い込みではなく事実を踏まえること、第三は事実から出発して論理的に辿っていくこと、第四はモレなく考慮すること、などにつながるものと思います。


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