MENUCLOSE
KC会員について メールマガジン
お問い合わせ

経営コンサルティングの株式会社小宮コンサルタンツ

経営コンサルティングの株式会社小宮コンサルタンツ

コラム

Column
ホーム > コラム > 上杉家の稼ぎ方から学ぶ

上杉家の稼ぎ方から学ぶ

経営のヒント
2022.06.17

日本企業の大きな課題のひとつが、「人時生産性の低さ」と言われています。人時生産性とは、社員さん1人が1時間に稼ぎ出す利益のことを指し、いかに効率的に利益を上げているかを表している数字になります。つまり、人時生産性が高い会社は少ない労力で多く儲けている会社だと言えます。一方でこの数字が低い場合は、社員さんが忙しく働いているのに、儲からない会社だということです。

参考までに、日本企業の平均値は、約5,000円ですので、もし自社の数字を知らなければぜひ計算してみてください。「粗利 / 総労働時間」で計算できます。一般的には、エンドユーザーさんと直接つながっている企業は利益率が高い傾向にあり、理由としては、以下の項目が挙げられます。

・価格決定権がある。

・顧客ニーズをリアルタイムに把握できるため、商品開発に活かせる。

・販路を持っているため、調達/仕入れの交渉がしやすい。

 

この「エンドユーザーさんと直接つながっている」成功例として、代表的な会社は、テスラやアップルが挙げられます。

テスラは、他の自動車メーカーはディーラーを通して販売しているのに対して、自社の販売網(直営店舗、注文サイト)を持っており、エンドユーザーさんと直接つながっています。その結果、1台当たりの利益率はトヨタの3倍ともいわれています(日経調べ)。また、アップルの場合にも、他のメーカーが大手販売店を通じて売っているのに対して、自社のストアをもってエンドユーザーさんと直接つながっています。利益率は他のメーカーと比べ、群を抜いて高いです。

ここまでの話だと、流通だけの話じゃないか!と思われる読者さまもおられると思いますが、この両社においては、その他にコアとなるコンテンツを持っていること(アップルであれば、iphonemacbookなど、テスラは、EV車メーカーではなくバッテリーを制御するシステムに強み)、商品ラインナップを限定し、またカスタマイズがほぼない事によるオペレーションの標準化や原材料(仕入価格)の低さも、利益率向上に繋がっていると考察します。

 

また、エンドユーザーさんと直接つながるためには、エンドユーザーさんに提供できる完成品を持っている必要があります。その必要性に気が付いたのが、米沢藩の再興に尽力した上杉鷹山でした。

上杉鷹山は、上杉家に養子として迎えられ、9代目の藩主になります。当時の米沢藩はどうしようもない赤字でした。鷹山は、まず倹約の方針を打ち立てるわけですが、それだけでは、赤字が収まりません。そこで鷹山がやったのが、完成品を輸出することでした。当時の米沢藩では、青苧(あおそ)という地元でとれる繊維を他の藩に輸出していました。他の藩は、その青苧を輸入して何をしていたかと言うと、サラシなどの完成品の衣類に仕立て上げ、お客さまに販売していたのです。鷹山は、他の藩でやっているのならば、うちでも出来ないか?と考えました。なにしろ、原材料は自分たちの藩にあるのです。そして、織物を作れる人材を育成し、繊維という原料を輸出するモデルから、完成品を販売するモデルへ変えていきました。このように鷹山は、利益モデルを変えることで、財政を再興していったのです。

 

もちろん、読者さまの中には、現状では、取引先さんの関係や商流を変える事への抵抗や難色を示される方もおられると思いますが、一方でECやネット販売の普及により、従来よりもエンドユーザー様と直接繋がる手段も増えました。お客さまのニーズを知るには、お客さまからの声をダイレクトに聞ける環境が必要になりますので、これを機会に、思いきってチャレンジしてみてはいかがでしょうか。


この記事が気に入ったら
「いいね!」
お問い合わせContact
コンサルティング、セミナーなどのお問い合わせは、
電話番号、またはお問い合わせフォームよりご連絡ください。