忙しい時には暇な時のことを考え、暇な時には忙しい時のことを考える

2020.05.26発行 Vol.367
この言葉は、中国の古典の『菜根譚』に書いてあった言葉だと記憶しています。30年以上前に読んだものなので、文章もあいまいですし、その本にあったのかどうかも確実ではありませんが、忙しいときには、この言葉を反芻して、暇な時が来る時を思い浮かべていました。そして、時間ができたときには、忙しい時のことを思い出して、少しでも準備をしておくように心がけています。
もちろん、完全にそれができているわけではありません。少し時間があれば、身体を休ませることもしますし、気分転換もします。ただ、暇な時には、少しずつだけでも前に進むということを結構長い間してきました。そのおかげで本も150冊ほど出せました。
新型コロナウイルスの影響で、生活に大きな影響が出ている方も少なくないでしょう。とても大変な時期です。完全に収まるまではしばらく時間がかかるかもしれませんが、それでもウイルス騒動は必ずどこかで終わります。そのときのために、今から準備をしておくことも大切です。
もちろん、ビジネスや生活において、今は大きな制約があります。それでも、準備できることはたくさんあるのではないでしょうか。ウイルス終息後にスタートダッシュをするためにも、今からできることを考えて準備をしておく必要があるのです。ウイルス後は案外、今やっていることが決め手かもしれません。
逆に、今、とても忙しい人たちもいます。医療関係者は言うに及ばす、雇用調整助成金の申請をする社労士さんや融資の申請を手伝う税理士さんたち、スーパーで働く方たちなど、普段より忙しい方もたくさんおられます。そういう人たちは、目の前のことで大変でなかなかそうは考えにくいでしょうが、忙しさが終わった時の時間の過ごし方に思いをはせて過ごすのが良いと思います。私も、つい最近までは、年に100回くらいの講演や出張を行う合間に、テレビ出演や月10本近い原稿、年に5から10冊程度の本を書いていました。肉体的にも精神的にもきつい時はありましたが、暇になったら○○をしようなどと考えると、気分はとても楽になった経験があります。
「治に居て乱を忘れず」ということを、会員さん相手の経営実践セミナーで何度も話してきましたが、なかなか景気の良い時には残念ながら響かないものです。しかし、今のような非常時には、それを痛感するものです。良い時も悪い時も、忙しい時も暇な時も、その逆の状態を想定するということは、なかなか難しいことですが、苦労や経験をすればこそ、それができるようになるのではないでしょうか。未来に活かしたいですね。
【小宮 一慶】
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