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「都知事選に思う」

小宮一慶のモノの見方・考え方
2024.06.25

東京在住以外の方にはそれほどご興味のない話題かもしれませんが、都知事選に日本の縮図を見るような気がしますので、今回のメルマガはそれをテーマにしました。

私は東京都民です。大阪の堺に生まれ育ち、23歳からは就職した東京銀行の関係で、名古屋、東京、アメリカで暮らした後、アメリカから戻った86年6月から、もう38年間東京で暮らしています。
人生で一番長く住んでいるのは東京になりました。それぞれ住んだところには思い入れや思い出が数多くありますが、東京にも特別の思いがあります。

その東京で、都知事選がはじまりました。1400万人の人口を抱え、日本のGDPの約20%を稼ぎ出し、日本の政治経済の中心である東京の首長の選挙ですから、マスコミの注目度も抜群です。
しかし、その中身は少し残念なことも少なくありません。現在の政治の状態や国民のレベルを反映しているとも言えるでしょう。

今回は、過去最多となる56名が立候補しているということでも話題となりました。
ポスター掲示板のコマ数が足りないので、クリアファイルに入れてポスターにピンなどで掲示板からはみ出して留めるという苦肉の策も講じられています。
今のところ、私の家の近くの掲示板ではクリアファイルに入ったポスターを見たことがありませんが、それだけ多くの人が立候補しているということです。

問題となったのが、「NHKから国民を守る党」が24名の候補を擁立し、支持者から寄付を募り、寄付をした人に都内に1万4千か所あるポスター掲示板のひとつに自分の出したいポスターを出してもいいというキャンペーンを行っていることです。
1万円から3万円の寄付を想定していますが、愛犬の顔でも、お店のアピールでもいいとのことです。
公職選挙法はポスター掲示板がこのような形で使われることは想定しておらず、法の盲点を突いた形となっていますが、そもそも1名の知事を選ぶのに、同一政党からこれだけ多くの候補者が出ること自体も知事選の趣旨に反すると考えます。
またそんなスペースを借りて自分やビジネスなどをアピールしても逆効果ではないかとも思いますが、いずれにせよ今の状態では法に触れず、今後の法の改正を望む次第です。
またわいせつなポスターも問題となりました。

一方、田母神俊雄元航空幕僚長や石丸伸二広島県安芸高田前市長などが立候補していますが、本命は小池百合子現知事と蓮舫元参議院議員の二人でしょう。
しかし、政策的にそれほど大きな違いは見い出せません。
現職である小池氏のこれまでの2期をどう評価するかといったところですが、違いはばらまきの度合い程度でしょうか。

小池知事がカイロ大学を卒業したかどうかという話も出ていますが、これも前々から問題視されていることで、もちろんウソは許されませんが、そもそも50年近く前の話を蒸し返さないといけないほど、政治的論点がないということかもしれません。

自民党、公明党、国民新党は「自主的に」小池氏を支持すると言っていますが、これについても、これらの政党の現状の評判等を考えるとべったりという印象を受けたくないという小池氏の思惑とともに、これらの政党は是が非でも小池氏に乗りたいという思惑が見え見えです。
立憲民主党はもちろん蓮舫氏を推していますが、過去の民主党政権時代の稚拙な政権運営を覚えている人も多く、どこまで支持を伸ばせるかは疑問です。
いずれにしても7月7日が注目です。

【小宮 一慶】


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