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「スイス、モンゴルでも企業成功の原理原則は同じ」

小宮一慶のモノの見方・考え方
2024.07.09

先々週にスイスを1週間、先週は水曜日から土曜日までモンゴルに出張してきました。
私にとっては少しきついスケジュールでしたが、同行していただいたお客さまや当社のスタッフのおかげで、何とか無事に乗り切ることができました。

スイスは当社で毎年行っているお客さまとの視察ツアー、モンゴルは当社の現地のお客さまでの講演が主な目的でした。
スイスやモンゴルで感じたことは、成功する企業の原理原則は同じだということです。

まずスイスのお話からです。チューリッヒで訪問したのはエミール・フレイ社というカーディーラーです。レクサス、スズキ、スバルなどの車を扱っています。
今年でちょうど創業100年の会社で、家族経営を貫いていますが、従業員は2万3千人というカーディーラーとしてはスイス有数の企業です。
スイスを中心に周辺国でも事業をやっていますが、各国でもスイス国内でも権限移譲を積極的に行っています。

感心したのは、1935年に書かれた創業者の手紙が、多くの部屋などに掲げられており、「品質の良い商品を適正な価格で販売する」、「顧客が支払ったにふさわしい価値を必ず提供する」などのことが書かれています。

さらには、顧客にふさわしい価値を提供するためには、従業員を大切にすることが重要と同社では考えています。
スイスでは転職は珍しくありませんが、同社では何十年も長く働き続ける社員が多く、そういった意味でも家族経営との説明を受けました。
お客さま第一と従業員を大切にし幸福にすることに重きをおいて経営しているわけです。

この企業には、青砥玄さんというスイスに長くお住いの日本人の方が働いておられます。
青砥さんは現地の日本人会の会長で、同社が日本企業的な経営を続けていることや、現在の日本の現状をスイスから見た視点で詳しくお話をいただけたこともとても勉強になりました。

スイスを訪れた翌週に、親しいお客さま10名とモンゴルのウランバートルを訪問しました。
タワンボグドグループという企業で講演をさせてもらいました。私とタワンボグドグループとのお付き合いは2017年からになります。
グループの創業者であるバータルサイハンさんが、「お金を追うな、仕事を追え」という私の人生の師匠のお坊さんの言葉を私が解説しているのを知り、講演して欲しいと連絡をいただいたのがきっかけです。
バータルサイハンさんは、日本の電気通信大学に留学経験があり、日本語が堪能です。
2017年、18年、19年と毎年この企業グループの幹部に講演をさせてもらい、コロナが明けた今年に再開となりました。

タワンボグドグループは、世界有数のカシミヤ製造販売、モンゴルで1番のトヨタディーラー、1番の銀行、ホテルなどの観光事業、ケンタッキー・フライド・チキンやサブウェイなどの飲食店などを経営するモンゴル有数の企業グループです。
最近では富士フィルムと提携して検診事業も始めました。私の講演の翌日に、私たちはカシミヤの製造工場と製品を売っているお店、新しくオープンした検診センターを見学させてもらいました。

人口350万人ほどのモンゴルで、創業から30年足らずで1万数千人を雇用するグループにまで発展しました。

創業者のバータルサイハンさんと当社のお客さまとの間でお話をする機会があったのですが、「お客さまが求めるサービスを提供する」、「それを支えるためには従業員を大切にし、優秀な人を採用する」と語っておられました。
「まだまだ、左足がスタートラインに立っただけです。これからです」と流ちょうな日本語で謙虚に語っておられるのが印象的でした。

スイスでも、モンゴルでも、そしてもちろん日本でも、お客さまを大切にし、それと同時に働く仲間を大切にするというのは、経営成功の原理原則だと再度認識させられました。

【小宮 一慶】


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