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対立意見が出るような会議をしていますか?

経営のヒント
2024.08.08

皆さんの会社では健全な会議が行われていますか?会議の目的の一つは、議論を通じて様々な意見を交わし、多くの選択肢の中から最善の意思決定を行うことです。
ピーター・ドラッカーは『経営者の条件』の中で「意志決定において意見の不一致こそが問題への理解を促す」、「重要なことは、意見の不一致が存在しないときには決定を行わないことである」と述べており、何かを決定する過程では意見の不一致が必要だと言っています。

現在、私は10数社の企業の経営会議に定期的に参加しています。多くの企業がオーナー企業であり、会議では経営者の顔色を窺いながら発言する社員が少なくありません。特に経営者が「自分はこのように考えているが、どう思う?」と問いかけると、社員は自分の意見よりも経営者が望む答えを探る傾向にあります。
オーナー経営者との関係性が雇用危機に繋がる可能性がある立場としては、ある意味当然かもしれません。そのような場合、私は外部のコンサルタントとして敢えて対立意見を出すことがあります。これは必ずしも方針に反対するわけではなく、議論を深めるための一つの手段です。対立意見が出ることで、自分の意見の正当性を主張するために深く考え、別の視点から物事を見るきっかけにもなります。

また、経営幹部が参加する会議では、どっちつかずの中途半端なスタンスを取る方がいます。例えば、投資をすべきか否かの議論で「競合他社も投資事例が増えているので、当社もそろそろその時期かもしれません。しかし投資するとなるとリスクもあると考えられます・・」といった発言をするケースがあります。
このようなどちらとも取れる曖昧な意見が多く出る場合、私は参加者全員に“YES”“NO”かの結論を明確にし、その理由を説明してもらうようにしています。中途半端なスタンスでは発言に責任が生まれず、本気で考えていないことが多いからです。スタンスが明確になることで意見の対立が生まれ、議論が深まります。様々な意見や選択肢が議論された上で、最終的には経営者が責任を持って決断すれば良いのです。

皆さんの会社の会議は健全な議論ができていますか?社長の独演会や、眠くなるような会議になっていませんか?会議の進め方で成果は大きく変わり、参加メンバーの成長の場にもなります。高い人件費のメンバーを集めて会議を行うのであれば、意味のあるものにすべきです。そのために、議題の決め方、事前準備、参加者、会議内のルール、進行、経営者の発言タイミングなどを改めて見直してみてはいかがでしょうか?
建設的な議論と意思決定が行われる会議を通じて、企業の成長と発展を促進することができると思います。


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