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やっていることがバラバラと感じたら

経営のヒント
2024.09.26

事業運営において様々な方針を立て実行するなかで、その方針や施策がなんだかバラバラだと感じることがあります。
部署ごとに立てている方針、個別の事象への対応策。もちろんそれはそれぞれの場面でよく考えて決められたものでしょうが、あっという間に、会社のなかは個別の方針や施策でいっぱいになります。

戦略をつくるときに大事なことは、①お客さまは誰かを規定し、②自社が何をもってそのお客さまに相対的に選ばれるかという独自の価値を考え、③それをよりよく実現するための仕組みを考えることです。その仕組みとは、お客さまにより買って頂けるようにするための仕組み、その価値を具体的な商品やサービスとして生産する仕組み、それらを実現する人や組織をつくるための仕組みです。
よい戦略とは、①②を中心として、これらの全体像がすべて連関し、つながりあっているものです。
つながっているだけでなく、ある動きが他の要素を強化するような動きになっているか。
さらに、その動きを邪魔するような要素がしっかりと「やらないこと」として明確になっているか。

例えば、スターバックスの例。忙しいビジネスパーソンに「第3の場所(サード・プレイス)」という価値を提供するために、本格的な食事や喫煙は「やらないこと」と決め、メニューやオペレーション、応対にゆっくり過ごせるための細かい工夫を凝らし、それを実現するために従業員への教育を徹底しているという具合です。
このあたりの事例は、楠木建さんの『ストーリーとしての競争戦略』(東洋経済新報社)を参照いただけるとよいと思います。

日々目の前に並んでいる方針や施策が戦略的に有効なものかどうかを確かめるには、お客さまは誰か、自社が提供する価値は何か、から始めて各方針や施策の全体像まで「一つの話」としてつなげてみることです。そこに無理やりさやこじつけ、あいまいさがあれば、それは戦略として不整合が起きているということです。

余談ですが、私は若いころに戦略骨子を作るときに、まずは文章で書くということを教えられたことがあります。それからは、まずは全体像をお話として書いてから、人に伝えるためにスライドなどを作って整えるというスタイルをずっと続けています。部分から入るとうまくいかない、というのは実体験としてもよく理解できるところです。

実際、様々な企業さまのお話を聞く機会がありますが、経営がうまくいっている企業さまのお話はやはり全体がつながっていて面白いものです。

自社の方針や施策がバラバラ事件になっていると感じたら、自社だからこその「一つの話」として頭から語り直してみることも有効な手段だと思います。


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