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あなたは「話し合い」を学んだことはありますか?

今週の「言葉」
2025.02.26

会社のなかで多くの時間を費やしている「会議」。その内容が変われば日本が変わる、と思っているのは私だけでしょうか。

冒頭の問いは立教大学経営学部教授の中原淳さんの著書「話し合いの作法」からの引用です。
この著書のなかで、中原さんは、我々はこれほどまでに「話し合い」の機会が多いにもかかわらず、「話し合い」の方法について教えられたことも、学んだこともない、ということを仰っています。
企業の多くの方針は「話し合い」で決まります。そこで様々な人から意見を聴き合い(対話)、それをしっかりと議論し決断する、ということが良質にできれば、おのずとその決断の内容の精度も高まりますし、参加メンバーの納得も実行性も高まる、というわけです。

日本社会はもともと同質性が高く(日本企業においてはさらに高かったと思います)、語らずとも察するような「空気」を読むやり方が長いこと定着していました。一方、様々な文化的背景の人が多い海外の国では、どうしても「話し合い」をするための技法が必要とされるため、学校教育の場などから教えられ学んでいる機会も多くなります。

経営においてもある程度正解が予測でき、トップダウンで進めることで前進出来ていた時代は終わりを迎えています。今の時代は、皆の知恵を集めることが必要です。
また、とりあえずは黙って命令に従っておけば昇進や終身雇用が保証されるという感覚もなくなっています。今は、納得できない一方的な指示命令ばかりの会社では人が定着しませんし、社員もやる気が起きません。優秀な人材ほど、自分自身の納得感が仕事のパフォーマンスを上げるうえで重要になります。

「話し合い」の場、つまり会議の場がただ無為な時間になっていないか、誰かの一方的な話で、皆が白ける時間になっていないか。何かを決めても、そのままで放置されがちなものになっていないか。
思い当たる方は、ぜひ「話し合い」の作法について学んでみるとよいと思います。そして会議に出るメンバーにも同じ認識をもってもらうことです。中原さんは、まずは学んで、あとは経験を積み重ねるしかない、と仰っています。

しっかりとした「話し合い」ができる組織は成果をあげるだけではなく、その組織文化も良い人材を引き付けるものになると思うのです。


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