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経営計画策定を通じて「見えないもの」に光をあてる

経営のヒント
2025.03.19

まもなく4月ですね。
次年度の経営計画を検討している方も多いことと思います。私のお客さまもほとんどがその真っ最中です。

お客さまと経営計画を検討していると、目に見えていないところに目を向けられるかどうかがポイントだと感じます。

経営計画を考えるうえでバランススコアカード(BSC)を適用する方も多いと思います。明確に使っていなくても、BSC的に整理していくと経営課題が整理しやすくなります。

BSCとは、経営を「1.財務の視点」「2.顧客の視点」「3.業務プロセスの視点」「4.学習と成長の視点」で捉えるというものです。

これらは目に見えやすい順に並んでいます。経営の成果としての収益、つまり財務の視点は一番見えやすいです。ただ、自社のビジネスの肝はどこなのか、うまく行っているかどうかを把握できるレベルまで分解できていないことが多いです。ざっくりとしか見えていない、解像度が低い状況です。単に利益が出た、出ないだけでは打ち手が見出せず、結果オーライになってしまいます。

ゆえに、残りの3つの視点を考えていくことも重要です。

利益が生まれるのはお客さまに喜んでいただくための商品・サービスを自社ならではの創意工夫をして提供できているかどうかにかかってきます。商品・サービス自体は、比較的見えやすいです。ただ、お客さまのニーズの変化や潜在的なニーズを捉えることができているかどうかがポイントになります。お客さまはなぜ当社を選ぶのか、質問してみると曖昧か、通り一遍の回答になることがほとんどです。

商品・サービスを生むための「業務プロセス」となると見えにくい部分がますます増えてきます。日々、当たり前のように実行しているがゆえに見落としていたり、暗黙知はあるが、活用しきれていないノウハウもあったりするのではないでしょうか。さらには、なんかおかしいなと思いながらも、変えるのも面倒だし、問題提起したら面倒くさがる人もいるし…など、よくよく話を聴いて深掘りしないとフタがされていて見えないなんてこともあります。

学習と成長の視点となるとどうでしょうか。社員一人ひとりの強みは、明確に把握できていますか。あるいは、将来にむけてどのような強みが必要になるのか、どうしたらそのような強みをつくることができるのか、十分に検討されているでしょうか。単に「リーダー人材の不在」といった文言が毎年並んでしまうだけでは、思考停止です。

そして、一番見えないのは、その会社の目的である経営理念です。ほとんどのお客さまで経営理念は、明文化されています。でも、その本質的な意味に立ち返って事業を見直したり、理念や目的を更新したりすることが不十分です。額に飾ってあるだけではもったいないと思います。

何のためにその事業があるのか、なぜ私たちはそれをやりたいのか。
その目的に立ち返り、衆知を集めて経営の意思を明確にしないかぎり、見えないものは見えないままです。目に見えないところに光を当てることこそが、経営計画策定の意義であると思います。


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