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新入社員が見ている世界

知恵のバトン
2025.04.07

この春も、新しい社会人が社会に、皆さまの会社に仲間入りしました。1か月ほどは新人と傍からみても分かるのですが、だんだんと社会に馴染んで見分けがつかなくなっていくのも毎年興味深く思います。

ところで就職する若者から見た世界は今どうなっているでしょうか。私事ですが、今年長女が社会人になりました。普段から採用の難しさや離職の悩みを企業さまから良く伺う立場ではありますが、一方で長女の就職活動を見ていて、ああ、こっち側から見るとまた別の問題が見えると感じたことをお伝えしてみます。

まず一つめは、とにかく明るい未来が見えていないということです。人口が減り経済は成長せず、少子高齢化し、AIに仕事が奪われるかも、など、先行きに希望が持つことが難しくなっています。終身雇用という安定を望むべくもなく、とにかく働いて生きていけるろうかという不安を抱えて社会に出ます。個人のキャリア成長にこだわるのも、かたや諦めて粛々と仕事をしていこうという気持ちになるのも、かつてないほど先の見えない世界を彼らが見ているということから生まれていると感じます。

次に、物心ついたころから処理しきれないほどの情報に囲まれて育ったこと。SNS等で色々な情報を手にしているので、情報がないことや正解が分からないことには不安を感じます。

常に隙間時間も情報で埋まって育っていますので、自分だけで考えること、手がかりがなく行動する経験をあまり持てていません。さらには働き方改革やブラック企業などついての情報が先行し、仕事は辛く苦しいものというイメージが刷り込まれています。どうやって自分の身を守るかという思考になっても不思議ではないように思います。

私は社会に出るということがどちらかというと楽しみでした。思うようにならない学生時代から、自分で自立していけることに自由も感じていました。かたや、今の学生は、社会に出ることが自由の終わりのように感じている人も多いようです。

痛感したのは、私たち世代がつくってきた時代のツケが彼らにまわっているということ。

目の前のことを懸命にやってはきたつもりでしたが、今の若者が社会の入口に立ったときに、希望を持てるような世界にできていないことに対し申し訳なさでいっぱいになります。

本来若さにはエネルギーがあります。春に芽吹く樹々や花のように、内側はエネルギーで満ちているだろうことは、弊社に研修でいらっしゃる新入社員さんたちを見ていても分かります。彼らが希望を持ち、未来を拓いていけるためにも、まずは活気があり成長する会社をつくっていきたいものです。本当は社会って面白い、日本の未来ももっとよくできる、とう思ってもらえるように、かつて新入社員だった私たちも奮闘していきたいと思います。

大田 潤子

 


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