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62.5%が本を読まない国で、個人、組織を伸ばす読書戦略

知恵のバトン
2025.06.10

長らく指摘されてきた日本人の「読書離れ」は、スマホなどの影響もあり、更に進んでいます。
文化庁が2023年度に実施した「国語に関する世論調査」によると、1か月に1冊も本を読まない人は62.5%。一方で「1〜2冊」が27.6%、「3〜4冊」が6.0%、「5〜6冊」が1.5%、そして「7冊以上」はわずか1.8%という結果でした。私自身は月に8〜10冊ほど読書を続けていますが、この数字を見ると、日本全体で読書習慣が急速に失われつつある現実を痛感します。

私は、かつては「読書と仕事の成果の因果関係」がぼんやりしていました。しかし、コンサルティングや研修の現場で社員の皆さんに文章を書いていただくうちに、確信を得ました。それは「読書習慣のある人ほど、現状や課題を正確に把握し、解決策を具体的かつ明確に表現できる」ということです。

日頃から本に親しんでいる方が書かれた文章には、問題点も解決策も具体性に富み、私も含めた読み手の頭の中に情景が浮かびます。
理由として、読書によって言葉や表現が蓄積され、思考が整理されることがあるでしょう。具体的・明確に表現できる人は、実行フェーズへの移行も早く、結果として経営や業務改善につながる――これが現場での実感です。

日本はかつて、世界有数の識字率を誇り、「庶民まで本を読む国」として欧米人を驚かせました。幕末に来日した欧米人は、「日本は他のアジア諸国と違い、植民地化できない」と感じたと言われます。
また、第二次世界大戦後に進駐した米国人も、日本人が新聞や書籍を読む姿を見て早期復興を確信したといいます。そして実際、日本は復興を成し遂げ、1980年代には経済大国まで成長したのです。

それを考えると、現在の「読書離れ」は、日本の将来を考えるうえで看過できません。読書は個人の自由ではあるものの、個人と組織の成長を促す投資と捉えるべきです。
そして、個人レベルでは、まずは月1冊の本を読むようにすすめる、ということがあります。まずは自分の興味がある分野からでもよいと思います。また、組織レベルでは、読書感想の提出、ワークショップでの共有、社内図書制度など、仕組み化すると定着しやすくなります。

私自身もコンサルティングや研修の場で「読書のすすめ」を実践し、地道に広げていきたいと考えています。

【増田 賢作】


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