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「大阪・関西万博、IR、オンラインカジノに思う」

小宮一慶のモノの見方・考え方
2025.06.24

大阪・関西万博に、私のお客さまなど結構たくさんの知り合いが訪れ、「楽しかった」、「たくさん並んだけどその甲斐はあった」、「モバイルバッテリーは必須」、「また行きたい」という意見がある一方、「一度行けば十分」、「暑い時は行きたくない」などのいろんな意見を聞かせていただきました。

私は、自身が中学1年生の1970年に大阪郊外の吹田で日本万国博覧会が開催され、大阪に住んでいたということもありますが、6回訪れ、とても刺激的で楽しんだことをよく覚えています。今は亡き友人と2時間以上並んでアメリカ館で月の石を見たことも懐かしい思い出です。

今回の万博にも機会があれば行きたいと思っていますが、暑さとスケジュールで今のところは未定です。

大阪万博で気になっていることがあります。それは万博そのものではなく、万博会場の近くで建設が進むIR(統合型リゾート)施設です。その中心はカジノです。博打場です。万博計画の当初から、そのIR施設まで地下鉄を敷くための布石として万博が行われるのではないかという疑念がありました。万博のために、万博会場まで大阪市営地下鉄を延伸したのですが、それを利用してIR施設まで来場客を運ぼうというものです。

策を弄したと言われても仕方ないかもしれません。策を弄してまで無理やりIRの利便性を高めるというのなら問題があるように思えます。もちろん、IR施設はある程度の雇用を生むと思いますが、収益の大半をカジノに頼るという計画がうまくいくのでしょうか。運営は海外企業が行い、収益の美味しい部分は彼らが持っていくと考えられます。もちろん、思った収益が上がらず、赤字の垂れ流しということもありえます。そして何よりも、そもそもカジノを開くことで、賭博依存症の人が増えることは大きな懸念です。

おりしも、オンラインカジノをより厳しく取り締まろうとしています。先日閉会した国会でも取り上げられました。このことと、本物のカジノを作るということは大きく矛盾しているのではないかと思っている方は少なくないと思います。

もちろん、実際にカジノを開くほうが、賭博依存症などをコントロールしやすいという意見はあるかもしれませんが、そもそもカジノを開かないほうがいいのではないでしょうか。オンラインカジノの取り締まりを強化する一方で、実際の博打場を作るのは大きな矛盾だというふうに考えます。

もうすぐ参議院選挙で、この問題は大きく取り上げられてはいませんが、一度決めたことだからと言って、前に進むだけが能ではないと考えます。政府や大阪に再考を促したいものです。

小宮 一慶

 


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