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「歴史」から読み解く教育の本質

経営のヒント
2025.07.22

弊社KC会員制度の特典の一つに、弊社コンサルタントが講師を務める月1回の「早朝勉強会」がございます。今月(20257月)の講師は私で、テーマは「人は学びで変わる──歴史から読み解く教育の本質」です。
私自身、日々の仕事の中で、お客様企業の経営幹部や中堅・若手社員の皆様を対象にした研修を担当させていただいておりますが、「人材育成」は正解が一つではない、奥の深い分野だと日々実感しております。

今回の勉強会では、歴史上の偉人たちが何を学び、どのように実践に活かしたのかに焦点を当て、現代のリーダーに求められる「学び」と「活かし方」について考察いたしました。取り上げた偉人は、徳川家康、伊達政宗、上杉鷹山、吉田松陰、松下幸之助の五名です。

勉強会の詳細は割愛いたしますが、彼らの学びの軌跡を辿った上で、最後に私なりの所感を以下のようにまとめました。ここでは、その要点をご紹介いたします。

教育・人材育成における五つの要点とヒント

  • 「よい師」から学ぶ

今回取り上げた偉人のうち、徳川家康・伊達政宗・上杉鷹山には、それぞれ「師」と呼べる人物が存在し、多大な影響を受けています。
独学で成長することも可能ではありますが、人格・知見ともに優れた人物から直接学ぶことで、成長のスピードと深さは格段に増すと考えられます。
人材育成に向けたヒント: 自組織にふさわしいコンサルタントや研修講師との出会いと連携を模索する。

  • リーダーとしての「考え方」「在り方」

偉人たちは「師」から、リーダーに必要な考え方や生き方を学んでいます。
たとえば上杉鷹山は、「勇気を持つ」「先に施す」「譲り合う」といった姿勢を学び、藩政改革に活かしました。

人は学びがなければ、利己的な欲求に基づいた言動に流れがちです。だからこそ、学びを通して正しい「考え方」「在り方」を身につけることが、リーダーとしての成長に直結します。
人材育成に向けたヒント: 組織として求めるリーダー像を明確にし、それに基づいた教育を設計する。

  • 視野を広げ、視座を高める

広く世の中を知ることで、より高い志や目標を掲げることが可能になります。
たとえば伊達政宗は中央の政治情勢に触れたことで、なれ合いが常態だった東北において覇者を目指すようになりました。

限られた環境にいると、その枠内での発想や目標に留まりがちです。だからこそ外の世界を知ることで、志が高まり、行動も変わります。
人材育成に向けたヒント: 日本経済新聞の購読や課題図書の活用などを通じて、視野を広げる仕掛けをつくる。

  • 理想像の形成:歴史・古典・宗教に学ぶ

徳川家康は古典を通じて家臣との向き合い方を学び、伊達政宗は歴史上の人物から自己肯定感を得ました。
吉田松陰は歴史の教えをもとに、門下生たちの志を高めました。

歴史や古典、宗教の教えには、生き方の理想像が込められています。そうした理想像を明確にすることで、エネルギーが湧き、実際の行動へとつながっていきます。
人材育成に向けたヒント: 歴史教育や古典の活用を通じて、自らの理想像を描かせる機会を設ける。

  • 学んで、考え、実践する

取り上げた偉人たちに共通するのは、「学び、考え、そして実行する」姿勢を持っていた点です。
上杉鷹山の師・細井平洲の言葉に「学思行、相まって良となる(学んだことをよく考え、そして行動して初めて意味がある)」というものがあります。

学びはインプットにすぎません。そこから思考を深め、行動し、成果を出す――その一連の流れが重要です。
人材育成に向けたヒント: 実際の事業や業務をテーマとした研修設計と、教育後の実践フォローの仕組みをつくる。

以上、勉強会での学びの一端をご紹介いたしました。
歴史に学ぶことで、現代の人材育成に多くのヒントが得られることを、改めて実感しております。
皆様の教育・育成の取り組みに、少しでも参考になれば幸いです。

増田 賢作


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