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経営が健全になり、成長する企業の「3つの共通点」

経営のヒント
2025.11.25

私事ですが、コンサルタントとなって20年が経ち、弊社に入社してからも今年11月で丸5年となりました。この間、多くのお客さま企業の盛衰を見てきましたが、そのなかでも、長年の赤字・低収益から黒字・高収益へと転換し、その後も成長を続けている企業がいくつもあります。

こうした「経営が健全になり、成長する企業」には、いくつか共通点があるように感じます。今回は、そのなかでも特に重要だと思われる次の3点について考えてみます。

(1)お客さまに喜ばれる商品を徹底的に創り込むこと
(2)計画を立て、短期サイクルでPDCAを回すこと
(3)将来に向けて人材を採用し、育成すること

(1)お客さまに喜ばれる商品を徹底的に創り込むこと
「お客さまに喜ばれる商品(以下、サービスを含む)」には、大きく2つの方向性があります。

1つは「低価格で喜ばれること」、もう1つは「機能・品質の高さで喜ばれること」です。一般的にはそれぞれ、低価格戦略、高付加価値戦略と呼ばれます。

低価格戦略で利益を確保するためには、コスト競争力が不可欠です。具体的には、仕入れ価格の低減や販管費の効率化が求められます。大企業はスケールメリットを活かして低コスト化が可能ですが、中堅・中小企業ではスケールメリットが限定的であり、低価格戦略の採用は難しいケースがほとんどです(もちろん、中堅・中小企業でも低コストを実現できる理由がある場合は別です)。

そのため、中堅・中小企業が取るべき方向性は、高付加価値戦略となります。実際、「経営が健全になり、成長する企業」は、お客さまに支持される高機能・高品質の商品を徹底して創り込み、提供することで、低収益から高収益へと転換しています。

ここで注意したいのは、「すべての商品・サービスを高機能・高品質にする必要はない」という点です。市場には、どうしても差別化が難しく価格競争になりやすい“汎用品”が存在します。重要なのは、全体のラインアップのなかで、高付加価値商品の比率をいかに高めるかです。

(2)計画を立て、短期サイクルでPDCAを回すこと
次に挙げられる共通点が、「計画を立て、短期サイクルでPDCAを回すこと」です。

長期計画や3か年計画などの経営計画を策定し、企業の方向性や重点施策、数値目標(KGIKPI)を明確にしたうえで、その進捗状況を週次・月次など短いサイクルで確認していきます。重点施策の中には、前述の高付加価値化に向けた取り組みも含まれます。

短期サイクルでPDCAを回すことで、経営の状況が可視化され、目標に対してどれだけ進んでいるか、何が課題かを把握でき、改善に向けて素早く動き出せます。

最終的には上記のようなPDCAを目指すべきですが、現状、まったくPDCAが回っていない企業では、まずは「月次損益を管理するだけ」でも、損益改善につながることがあります。実際、そのような事例を多く見てきました。
“経営の可視化”は、経営者・幹部・社員の行動を大きく変えるのです。

(3)将来に向けて人材を採用し、育成すること
企業の方向性を明確にしても、それを実現するための人材が不足している場合があります。また、社員を育成するには時間がかかることもあります。そのため、必要に応じて外部から人材を採用することも選択肢の一つです。

実際、「経営が健全になり、成長する企業」の中には、次の成長ステージとして海外展開を見据え、同業大手で長年海外営業を経験した人材を採用し、その中心に据えて海外事業拡大を進めている企業もあります。

もちろん、既存社員を育成する取り組みも欠かせません。環境変化が激しい現代では、企業の方向性を理解したうえで、現場で「何が必要か」「どう実現すべきか」を主体的に考え、行動できる人材がこれまで以上に求められています。

今回の記事では、「経営が健全になり、成長する企業」に共通してみられる3点についてご紹介しました。読者の皆さまの企業経営等でご参考にして頂ければ幸いです。

増田 賢作

 


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