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沖縄一倉OB会と経営の原点

小宮一慶のモノの見方・考え方
2025.11.25

先週末に23日で沖縄県恩納村に行ってきました。もう25年以上前に亡くなられた経営コンサルタントの大先輩の一倉定先生の生徒さんたちの集まりで講演をするためです。北海道から沖縄まで20数名の方たちのご参加でした。私は、そこで土曜日の朝9時から昼の15時過ぎくらいまでランチ休憩をはさんでいつものように経済のお話と経営のお話をしました。コロナで開催されなかった1年間を除いて、2004年から、毎年、講演させてもらっています。

場所も、一倉先生が研修会を開いておられたムーンビーチというホテルで、白砂の海岸が目の前にあるとても素敵なところです。

一倉先生のお話は、私は一度だけ直接講演会で聞いたことがありますが、とても厳しい先生だったとのことです。先生の考え方は、「お客さま第一」、「重点主義」、「環境整備」に集約されます。

まず、経営の原点は、とにかく「お客さま第一」です。その姿勢を前提にいかに商品やサービス(QPSQualityPriceService)に落とし込むかです。それ以外にはありません。私も当社のコンサルタントたちに、「会社の見方が分からなかったら、とにかくお客さま第一かどうかだけを見てくるように」とアドバイスしていますが、これをはずしての経営の成功はありえません。ベストはお客さま第一を行うことで、同時に働く人に働き甲斐を与え、かつ経済的幸せを差し上げることです。

ピーター・ドラッカー先生が「特有の使命を果たす」と「働く人を活かす」と述べておられるのと基本的には同じです。

「重点主義」は「なんでもやらない」ということです。なんでもやりたくなりますが、重点をしぼって行わないと、結局はなんにもできないということになりかねません。

また、一倉先生は「アイデア社長は会社をつぶす」とおっしゃっていましたが、社長は周りが何も言いませんから、とかく自分のアイデアをどんどんひけらかします。そして、それを中途半端なままで終わらせることも多いのです。「評論家社長は会社をつぶす」ともおっしゃっていましたが、アイデアだけどんどん出してあとは評論家では目も当てられません。

そして「環境整備」です。私は、環境整備は社員の気づきを高めるなど「基礎力」を高めると考えています。基礎力は思考力と実行力です。環境整備により、気づきを学ぶとともに、実際に雑巾がけなどして手を動かすことで実行力も身に着きます。当社でも、朝から勤務時間中に環境整備を行っています。コンサルタントはしょせん口先だけの仕事ですが、やはり環境整備をきちんとやれる社員のほうが、実力が上がると実感しています。

一倉先生が亡くなられてからもう25年以上経ちますが、こうしてOB生やその子息たちが集まるのはとても素晴らしいことです。それができるのは、OBの結束が強いということもありますが、一倉先生が経営の原理原則をきちんと教え、それにより成功した経営者たちを多く輩出していることがあるからです。私もそういう経営コンサルタントになりたいと沖縄一倉OB会に参加するたびにつくづくそう思います。

小宮 一慶

 


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