衆議院選挙 自民党の歴史的大勝が意味する日本の未来 | コンサルタントコラム | 中堅・中小企業向け経営コンサルティングの小宮コンサルタンツ
loginKC会員専用お問い合わせ

コンサルタントコラム

ホームchevron_rightコンサルタントコラムchevron_right衆議院選挙 自民党の歴史的大勝が意味する日本の未来

衆議院選挙 自民党の歴史的大勝が意味する日本の未来

時事トピック
2026.02.09

今回の本稿は29日(月)、選挙結果を受けて急いで書いています。
年初の読売新聞のリーク通り、1月23日に衆議院が解散され、27日公示、2月8日に投開票が行われた実に短期間の今回の総選挙。結果は大方の予測の通り、自民・維新の与党で352議席、自民党単独でも316議席と歴史的圧勝という結果となりました。
ゆく先々で今回の選挙について問われた際に私は「自民党が圧勝だろうけれども、勝たせ過ぎてはいけない」と申してきました。その意味について少しお話しします。

先ず、本来国家予算のための国会審議に時間をかけるべき2月。この適切ではないタイミングでの選挙に踏み切った高市早苗総理大臣の決断の背景は何かを知る必要があります。敢えて近現代史を踏まえて長期的視点でお話しします。

今回の決断の背景には内閣支持率の高さが後押ししていることも当然あったと思いますが、最も大きな影響は年始に米軍がマドゥロ大統領夫妻を拘束し米国へ移送したベネズエラ事変、及びトランプ大統領の肝いりである「平和協議会」に紐づく外患にあると観ています。
確信とまでは言えませんが、選挙終盤にトランプ大統領が内政干渉ともいえる「高市支持」を表明したことからも米国の思惑の影響が皆無とは言えません。西半球の覇権を明確に守ることを米国(トランプ)が宣言したかのようなベネズエラ事変。

一方で日本はご承知の通り戦後GHQによる支配が終わり独立した以降も、実質的に米国の属国状態です。
今回高市人気で大勝した自民党はその草創期から共産勢力の弱体化を目的に米国CIA(米中央情報局)が深く関与した歴史をもつ政党です(米国外交史料による)。前政権で取り決めた対米投資5500億ドル(約86兆円)の対米投融資の遅れにトランプが怒っているとの記事もありますが、このこと自体、日本国民の暮らしが大変な時に何だかな…と首をかしげますが、日本は米国の属国、従属状態なので致し方なしです。

トランプ大統領肝いりの「平和協議会」なるものは何か。その狙いは何か。まずこの組織にEU各国、英国、また当然ですがロシア、中国は含まれていません。
グリーンランド取得への執着も併せて地政学的にみれば、NATOとそれ以外の二極から新たな第三の勢力グループを模索しているのではないか、という見方もできます。ここに日本の立ち位置がどうなるかという大きな外患があります。
今後の高市総理と米国の動きに注意が必要です。とはいえ、今回の自民党大勝により、自民少数勢力の参議院で否決されても衆議院でひっくり返すことが可能となり、自民党、あるいは高市総理の独断で事が進みやすくなりました。
ここに「勝たせ過ぎてはいけない」の真意があります。今回の選挙では国益のために働いたとは到底言えないような人物も当選しています。忘れてはいけないのは、自民党内は一枚岩ではないということです。
先の総裁選では国会議員票は高市氏が149票、小泉氏が145票の僅差。そしてその背景に世界の覇権争い(実質二大国による)があることは多くの国際政治ウォッチャーが認めるところです。その絡みで「中道」なる仏道からも批判されるような曖昧模糊な理念の政党が自壊したこと(旧公明党だけは全勝)も、覇権争いの自民党内への圧力に無関係ではなくなるでしょう。

高市総理は素敵な方だと思いますが、リーダーとしては松下幸之助さんの教えに反し「衆知を集める」ことがあまり得意ではありません。独断が多いこと、喧嘩っ早い印象もあります。そこも危ない、と感じるところです。

一方、今回の選挙の争点として、上記の外患はどのくらいの国民が長期的見通しを持っていたかは分かりませんが、実際の争点の中心は長引く実質賃金の低さをどうするかなどの「経済対策」と「外国人政策」の2つの内憂であったと思います。
前者は平たく言えば増えすぎた国民負担率(社会保障費・税の総合負担率:約46%)をどうするか、賃上げをどうするか(本来は政治ではなく経営者の判断すべきこと)、或いは各党が掲げた消費税に関する議論。

そして後者の「外国人問題」はどうだったのか。衆議院解散の123日、日本政府が関係閣僚会議にて外国人政策の新たな基本方針を決定し、人手不足に対応するため「特定技能」と「育成就労」制度の運用を強化することを決めました。
そのことを含め日本が昨今のヨーロッパの混乱に観るような移民国家になるかどうかという国を二分するはずの論点でした。後者は残念ながら一部政党のみが懸念を訴えましたが議論は避けられたまま選挙は幕を閉じました。今後の国会で注視する必要があるでしょう。

この2つの内憂のうち前者の経済については「責任ある積極財政」への期待からマーケットは好感をもって迎えているようですが、昨年末に自民党税調が計画している防衛費増額に所得増税を充てる案があるように、財源をまた国民の税金で補うことを繰り返す失われた30年を40年にしてしまいかねない方向性も懸念されます(税金だけが財源ではありません)。日本の地政学的リスクは世界的にも危険レベルが相当高いですので、防衛費増額はやむなしとは考えますが、このことも今後の国会を注意深く見守りましょう。

以上の意味で今回の選挙は、高市総理大臣の信を問う(私の首をかけて臨む、との発言)というより、我が国の子々孫々に至る将来のあり方を二分する選挙戦であったと思っています(投票率が今回も50%台では国民的議論にならないのですが…)。
何れにしても、「失われた30年」を働いてきた私としては、高市総理には今回の自民党のスローガン「日本列島を、強く豊かに」の通り、強く誇れる日本を取り戻すことを切に期待するほかありません。

さいごにその意味で、「教育」に関してお金の話ばかりでその内容・質に議論が及ばなかったことは悔やまれます。国家100年の計である教育こそ“強く豊かに”することの根本な筈ですので。まずは民間で努力し、政治をしっかり見守り、政治家のせいにせず、国民としてしっかり後世に誇れる豊かな国づくりに参加したいと思います。

 熊田 潤一

 


お問い合わせCONTACT US

コンサルティング、セミナー、KC会員についてなど、
お気軽にご相談ください。