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与えられた境遇に素直に生きる

小宮一慶のモノの見方・考え方
2021.12.14

先日、長野県の松本で、当社のお客さまの燕山荘さんの100周年パーティーに参加しました。社長の赤沼さんは3代目ですが、1921年に北アルプスの燕岳に、赤沼さんのおじいさまが山小屋を設立され、それから100年が経ったということです。お父さんから受け継いだ赤沼さんは、燕山荘を雑誌「山と渓谷」の読者が選ぶ「もう一度行きたい山小屋」「一度は訪れたい山小屋」のそれぞれで1位を獲得するまでに育てました。

私の会社(小宮コンサルタンツ)は仲間二人と設立してから、おかげさまで25年が過ぎましたが、私の年齢(もうすぐ64歳)から考えれば、自社の50周年をこの目で見られればとてもうれしいですが、100周年はとても難しいでしょう。

赤沼さんが3代目として燕山荘を経営したのも、私が創業者として小宮コンサルタンツを経営したのも、いずれも境遇です。私のお客さまには、会社を創業した人もいれば、2代目、3代目の方、中にはそれよりもずっと長い歴史を持つ企業を受け継いでいる方もおられます。もちろん、このメルマガの読者の方には、サラリーマンの方、学生さん、専業主婦の方などさまざまな境遇に生きておられる方がいらっしゃいます。

ある意味運命です。松下幸之助さんがおっしゃるまでもなく、その境遇を素直に受け止め、前向きに進んでいくしか運命を切り開くことはできないのではないでしょうか。自分には、自分にだけ与えられた境遇があるからです。

私は松下幸之助さんの『道をひらく』を寝る前に読むのを習慣にしていますが、その中にここで書いたことと関連する文章があります。「素直に生きる」という項目です。そこには、
「逆境は尊い。しかしまた順境も尊い。要は逆境であれ、順境であれ、その与えられた境涯に素直に生きることである。謙虚の心を忘れぬことである。」
とあります。与えられた境遇に素直に、謙虚に生きることが大事だとおっしゃるのです。
そして、続いて、
「素直さを失ったとき、逆境は卑屈を生み、順境は自惚れ(うぬぼれ)を生む。逆境、順境そのいずれをも問わぬ。それはそのときのその人に与えられた一つの運命である。ただその境涯に素直に生きるがよい。」とあります。

今の境遇は与えられた運命なのです。それに素直に対応して生きることが大切です。私は、ときどき『道をひらく』の英語版を読むことがありますが、「素直」という言葉の訳語には「accept」が使われることや「open mind」が使われています。つまり、「受け入れる」ということと「とらわれない」ということだと私は解釈しています。

そして、松下幸之助さんのおっしゃる「素直」ということは、受け入れる、とらわれないということとともに、前向きに対応するという意味を含んでいると思います。どんな境遇でも、それを受け入れて前向きに対応すること、それが真の素直ということであり、それが自身の運命を切り開くのではないかと、燕山荘さんの素晴らしいパーティーに臨みながら思いました。


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