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同志として共にチャレンジし、成長する。企業とコンサルタントの新しい関係

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2020.06.29

接着剤や各種建材を取り扱うbwdグループは、小宮コンサルタンツの中でも長年お付き合いがある企業のひとつです。入社1年でこの企業の担当となった新宅 剛は、小宮コンサルタンツを良く知るbwdグループ代表小黒 義幸氏とどのように関係性を築いていったのか。出会いから現在までの経緯をふたりが語ります。

コンサルタントチームリーダー  エグゼクティブコンサルタント
新宅 剛 (しんたく ごう)
中央大学経済学部国際経済学科卒業。
アーサーアンダーセン税務事務所を経て、財務会計系のコンサルティング会社である株式会社エスネットワークスにて、事業再生部門とM&A仲介事業を立ち上げ、軌道に乗せた後に小宮コンサルタンツ入社。
経営者に寄り添うコンサルタントという側面と、社内起業家という二つの側面を持ちながら、経営コンサルタントとして戦略の立案推進、経営計画の策定や実行支援、新規事業策定支援、財務戦略・資金調達支援、事業再生コンサルティング、及びM&Aの支援も通じた総合的な支援を行っている。
ボンド商事株式会社 社外取締役

小宮コンサルタンツ設立当初から始まったbwdグループとの関係

▲bwd グループ 代表取締役 小黒 義幸氏(写真左)と小宮コンサルタンツ コンサルタントチームリーダーの新宅 剛(写真右)

 

bwdグループは、1996年の小宮コンサルタンツ設立時、現社長である小黒 義幸氏の父、先代社長の小黒 正義氏と現CEO小宮 一慶との間でその関係がスタートしました。現社長の小黒氏は、システムエンジニアを経て2000年にbwdグループに入社。営業として複数の現場を経験し、2008年から小宮コンサルタンツが主催する「後継者ゼミナール」に参加しました。

小黒 「将来の経営の勉強だということで、後継者ゼミで学ばせてもらったのですが、当時は父に“参加させられた”という感覚の方が強かったですね。それまではとにかく営業として数字ばかり追いかけていましたので、多忙な中での苦手な分野の勉強は、当時の僕には正直何も響きませんでした。『そういう世界があるんだな』ぐらいの感覚で、とにかくメモだけはたくさん取っていたのを覚えています」

その考えが一変したのは、2015年。社長就任直前のことでした。

小黒 「それまで社長業自体あまり深く考えていなかったのですが、就任が近づくにつれて、自分が何もわかっていない状況をまずいと思うようになったんです。それから必死になって、後継者ゼミで取ったメモや小宮さんの書籍を読み返しました。すると以前は何も感じなかった言葉の一つひとつに納得できた。経営者の原理原則などに深く共感できたのはその時ですね」

それからの2年間は、当時の小宮コンサルタンツの担当コンサルタントであった平野 薫とともに、役員や幹部、中間層などの集まりを通して、経営理念や経営に対する考え方を浸透させていったのでした。

小黒 「そうした活動を始めて2年目の終わりぐらいに、当社にM&Aの話が持ち上がったんです。その話を平野さんに相談したところ、『ちょうどうちにM&Aを手掛けている者がいます』ということで、新宅さんをご紹介いただいたんです」

小黒社長と新宅の関係は、こうしてスタートしたのでした。

 

“先生”ではなく共に戦える “同志”

▲新宅はM&Aをした会社を含むbwdグループの経営戦略・ビジョン策定に深く関わり、経営陣全員が集合する経営合宿もサポート

 

bwdグループにはこれまでにも何度かM&Aの話が上がっていましたが、小黒社長自身、M&Aにはまったく興味がなく、すべて断ってきたという経緯がありました。

小黒 「それまでM&Aは遠い世界の話だと思っていたのですが、そのとき話が持ち上がった会社には、当社の弱点だった上流企業へアプローチできる力があったんです。今後会社を大きくしていく上でもぜひともほしい力だと思い、相談させてもらいました」

新宅を紹介された小黒社長でしたが、当初新宅に対しては小宮コンサルタンツの人だから大丈夫だろうというぐらいの認識だったと言います。

小黒 「初対面の直感で、この人なら大丈夫だと思ったものの、小宮さんのところの人だから信じたという方が大きかったですね。でも仕事をしていく中で、信頼度はだんだん高まっていきました」

それまでM&Aの話を持ってきた会社は、企業合併というよりは、ものを売るような感じで、それがすごく嫌だったという小黒社長。人身売買的に話をする人たちとは付き合わないと考えていたことが、M&Aを敬遠していた理由のひとつでした。そこに現れたのが新宅でした。

新宅 「僕はそのころ、小宮コンサルタンツに入社したばかり。当時は『この会社さんに成功していただく』という想いだけで、それまで自分が培ってきたスタイルを生かしながら必死に実践していました」

これまでのキャリアの中で事業再生とM&Aの両方を手掛け、単なる経済合理性に基づいたM&Aではなく、経営全般をサポートする中で、将来も見据えたM&Aというスタイルが、コンサルタントとして提供するM&Aの理想だと考えていた新宅。彼は、人と人との融合など、M&Aが成立した後のことも常に意識して動いていたと言います。

小黒 「新宅さんは、これまでM&Aを勧めてきた会社とは違い、相手の会社とも心のこもった話をしてくれたところが、すごく良かった。またコンサルタントとしても、従来の小宮コンサルタンツさんとの関係とは違う関係が築けたことも、M&Aの成功に、大きく影響したと思います」

歴代の担当だった小宮や平野は、小黒社長にとっては “先生”であり、どうしても“学ぶ”意識が先行してしまっていたと言います。

小黒 「教えはすべて正しいことなのですが、僕らのような、現場で泥水をすすって進んで来たタイプには、“先生”方は聖人君子のように思えてしまうところがあります。一方の新宅さんは、見た目はスタイリッシュですが泥臭い部分を持っていて、僕の考えを深く理解した上で、相手との交渉にあたってくれます。“先生”ではなく “同志”として一緒に戦えたのが良かったですね」

ただ、こうした関係性が築けたのも、ふたりのベースに小宮コンサルタンツの考え方が流れていたから。小黒社長も、新宅も、共通の考え方を持った上でストレートに議論できたことが良い関係につながったと口をそろえます。

 

言うべきことをはっきり言い合える関係

 

小黒社長が同志とまで認識していたように、新宅自身もまた小黒社長にシンパシーを感じていたと言います。

新宅 「こういう言い方はおこがましいのですが、M&Aを必死にやっていく中で小黒社長との波長が合ったのは確かです。僕に足りていない相手を巻き込み引きつける力は小黒社長が発揮してくださいましたし、小黒社長の知らないM&Aの領域については僕の方が強みを発揮できた。補い合える関係性が、うまく機能したのだと思います」

小黒 「相手側との交渉は、ほぼ新宅さん主導で進めてくれたので、交渉面で難しいと感じたことはありませんでした。基本的には僕の考え方をくんで細かい部分を進め、ジャッジが必要なときは選択肢とともにメリット・デメリットをしっかり提示してくれる。これはすごく助かりました。

これまでの僕は、自分がすべて手掛けないと気が済まないタイプでしたが、新宅さんは『それは僕の仕事ですから』と、役割分担を明確にしてくれました。だから僕は、M&A 後のシナジーの在り方や、売り上げの拡大に頭をシフトすることができたんです」

小黒社長がそう感じた部分は、実際に新宅が意識的に行っていた部分でもありました。ただしそのために、新宅自身も言うべきことははっきり伝えるというスタンスを貫いていたと言います。

新宅 「社長業に注力していただきたいと思っていたので、小黒社長には微妙な球は投げないよう意識していました。曖昧な状態でお伺いを立てるのではなく、自分の方で輪郭をはっきりさせてから伝える。そうすることで、ジャッジも早くなると思っていたんです。ただそのために、言いにくいことでもかなりダイレクトにお伝えしていたと思います」

小黒 「僕が疑問に思うところはほとんど事前に確認してくれていたと思いますね。また提案に対しては、『確かにそうだ』とか『そこは、別に問題ない』とか、僕の方でも言いたいことが言えた。普段からコミュニケーションが取れていたこともありますが、お互いに本音で話し合えたところは良かったですね。また新宅さんは熱い人だから、時々交渉相手とぶつかることもあって『もう辞めましょう』となったときはさすがに驚きましたが(笑)。

そんな時も僕の考えをしっかり伝えることで前進することができた。一般的なM&Aのコンサルタントならば、説得なんて到底できず、話が終わっていたでしょう。その意味でも、良いタイミングで、新宅さんが加わってくれたと思っています」

互いの存在が、それぞれに良い変化をもたらす

M&Aが成功した後も、新宅はコンサルタントとしてbwdグループを担当しており、現在も小黒社長との本音で話し合える関係が続いています。そしてその関係が、会社そして自身にも変化をもたらしていると小黒社長は語ります。

小黒 「経営者は実は孤独な面があって、何か新しいことにチャレンジするときは、やはりちゅうちょがあります。そんな中『それ、良いね』と言ってくれる存在は大きい。ただこれは社内の人間ではダメなんです。当社の内情はもちろん、多くの企業を知る新宅さんが参謀の立場で後押ししてくれるからこそ、自分が信念を持ってチャレンジできている。それが変化をもたらしているのだと思っています」

こうした変化を感じているのは小黒社長だけでなく、実際に社員からも「M&A後に、社長は変わった」「良い意味で、次の打ち手が読めなくなってきた」という声が聞こえていると言います。

一方の新宅も、若手の営業社員と一緒にトラックに乗り込みお得意先を回ったり、幹部会後のお酒の席に参加したりと、bwdグループの会社や社員を、より良く知るための活動を重ねています。

新宅 「コンサルタントとして第三者の目線は必要ですが、会社に入り込むことも重要です。当然、帳簿上の現状把握はしますが、それで会社のすべてが見えるわけではない。

帳簿だけ見て知ったかぶりをするのではなく、その会社を深く知った上で客観的な意見を言える。それが本物のコンサルタントであり、僕はそうなりたいと思っています。その意味で楽しみながら、腕を磨いていける今の環境は、本当に恵まれていると思いますね」

お互いを信頼した上で切磋琢磨する。会社はもちろん、そんな小黒社長と新宅の関係自体も進化を続けています。そのふたりが目指す未来は。

小黒 「当グループも現在5社になりましたが、先日シナジーによる売上拡大ばかりに気を取られていると新宅さんに指摘されました。確かに売上に目を向けるのではなく、まずその5社でお客さまにもたらすメリットを考えることが重要。売り上げはそこについ てくると、新宅さんが思い出させてくれました。今後もグループにしっかりと理念を浸透させ、お客さまに貢献する。そこを新宅さんと一緒に考え、実行していきたいと思っています」

新宅 「お客さまや社会に貢献していくためには、今後その部分のマーケティングマインドが必要になると考えています。経営陣だけでなく社員の皆さんがそのマインドを持てば、会社はもっと強くなる。GoodをGreatにするため、将来の組織体の在り方を含めて、そのマインドの周知を自分のテーマとして取り組んでいきます」


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