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届かなかった投票用紙

小宮一慶のモノの見方・考え方
2022.08.09

安倍元首相の銃撃事件というとてもショッキングな事件のあった中での参院選で、民主主義の危機を叫ぶ人がいました。その銃撃事件に関連して、旧統一教会の問題が大きくクローズアップされました。私が若い頃には、結構大きな問題で、洗脳される学生のことや、桜田淳子さんの合同結婚式への参加など、世間を驚かせる話題を多く提供していましたが、最近ではその名前を聞くことは少なくなっていました。それもそのはずで、名前を変更していたのです。自民党はじめ維新の議員、さらには地方議員の中には、旧統一教会から、選挙の支援を受けていた人も少なくないようです。信教の自由や行動の自由と言えばそれまでですが、多くの人に害悪を与えている団体が、それがたとえ宗教団体であったとしても保護されるのは、やはり納得できない部分があります。ましてや、そのような団体と癒着し、選挙などでの支援を受けている人たちは、本当に議員としてふさわしい人間でしょうか。憤りを感じているのは私だけではないと思います。それこそ民主主義の危機ではないでしょうか。

 

安倍首相銃撃という許しがたい事件が起こりましたが、それをきっかけに旧統一教会の問題が再び表に出たことは、安倍首相の遺産と考え、徹底的に政治との関係を究明して欲しいと思っています。

 

もっと小さな話ですが、選挙に関連して考えさせられたことがあります。私の親しい知り合いでインドに住む日本人がいます。在外投票をするには、インドにある在外公館に行くか、郵便での投票が必要です。彼らは日本メーカの工場に勤めていますが、その地域はパキスタン国境に近いところで、在外公館まで行くのに相当の時間がかかります。彼らは郵便での投票を選択しました。

 

しかし、そこには大きな問題がありました。それは、今の日本の規則では、コロナもあり日本からインドまでの郵便が飛行機ではなく、船便でしか届かないということです。それでは期日までには投票用紙は到底届きません。

 

ひとりは日本の元の住所地の選挙管理委員会にメールで問い合わせましたが、「規則だから」ということで投票用紙が船便で送付され、期日までに届きませんでした。別のひとりも同様に、先ほどとは違う地域の選挙管理委員会に問い合わせると、事情を勘案して郵便ではなく航空便の民間宅配サービスで送ってくれたといいます。

 

前者は期日に間に合うはずもなく投票すらできませんでした、後者の票は、その地域の選挙管理委員会のおかげで投票ができました。

 

民主主義の原点は公正な投票が行われることです。規則かもしれませんが、わざわざ投票もできないしゃくし定規の行動しかできない選挙管理員会やその元となる法律を運用する人は、民主主義の原点を認識しているのでしょうか。そういう人が選挙に関わっていること自体、民主主義をおろそかにするものです。

 

旧統一教会に毒された議員たち、そして投票ができないのを分かっていてしゃくし定規に規則を運用する公務員たち、こんな人たちを排除しなければ本当の民主主義は取り戻せないのではないでしょうか。


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