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新聞を読むことの経営的な意義について

時事トピック
2024.07.05

■新聞読むことの意義とその重要性

経営者やリーダーの皆さんは、社員や部下に新聞を読むよう促すことは多いと思います。しかし、なぜ新聞を読む必要があるのか、具体的に説明できますか?新聞購読の意義は、短期的な情報収集だけでなく、長期的な視点や俯瞰的な視点を養うことにあります。そして、その効果を最大化するためには、インプット環境とアウトプット環境をセットで整えることが重要です。

多くの人が新聞を読む目的として、①仕事に直接的に活かす、②自分の生活に直接関係することを知る、③自分の関心があることを知る、の3つを挙げます。しかし、これらの目的だけでは、深い洞察や長期的な視点を持つには不十分です。

■フィルターバブルの影響

よくニュースはネットで十分、という方もいます。しかし、ネット検索では、ユーザーの興味に基づいた情報しか表示されないフィルターバブル現象が発生します。これは、検索履歴やアルゴリズムがユーザーの関心に合った情報を優先的に提供するためです。このため、ユーザーは自分の興味や関心に沿った情報だけに触れることになり、視野が狭くなりがちです。

一方、新聞は多様な情報を提供するリアル媒体であり、意図的に視野を広げるために非常に有効です。新聞には、読者が普段関心を持たない分野の情報や、新しい時間軸での考察が豊富に含まれています。例えば、国際情勢や経済動向、科学技術の最新情報など、さまざまなジャンルの記事が掲載されています。これにより、読者は自分の興味に関係なく、多様な情報に触れることができるのです。

■組織の視野とインプットの重要性

組織としての視野を広げるためには、社員が日常的に関わっている分野以外の情報にも触れることが重要です。新聞を読むことで、社員は多様な視点や新しい知識を得ることができ、これが組織全体の視野の拡大に寄与します。そして、この広がった視野が新たなアイデアや戦略の策定に役立ち、最終的には組織全体の成長と成功に繋がるのです。

■効果を高めるための環境設定

新聞を読む効果を高めるためには、社員に自分の関心の幅を超えた部分のアウトプットを求めることが重要です。具体的には、計画策定への参加や、定期的に視野を広げる記事の発表を行う機会を設けるなど、自分の関心の幅を超えたアウトプットが求められる環境設定とセットで行うことが効果的です。

■実際の取り組みと効果

私たちコンサルタントは、経営者や経営陣とともに会社の中長期計画を策定する際に、将来の状況や社会の動向について多くの意見を求めます。これらの意見は、普段から新聞やニュースを幅広く見ている人々から多く出てきます。つまり、短期的な事柄だけでなく、長期的な視点を持つことが求められるのです。

このようにして得られた意見は、組織の戦略策定や意思決定において非常に貴重なものとなります。経営者やリーダーは、社員が自分の生活や仕事に直接関係ない情報にも目を向けるよう促し、幅広い視点を持つことを奨励するべきです。新聞を読むことによって、社員は多様な情報に触れ、その結果、長期的な視点や俯瞰的な視点を養うことができます。

さらに、こうした取り組みは、新聞を読むことがアウトプット体験に直結するという効果もあります。具体的な経営計画の策定や将来の社会動向に関する議論を通じて、社員は新聞で得た情報を活用し、実際の業務に反映させることができるのです。これにより、新聞を読むことが単なる情報収集にとどまらず、組織全体の視野を広げるための重要なインプット手段となります。

■具体的なアプローチ

社員に新聞を読むことを推奨する際には、まずその目的に即したアウトプット環境を整えることが重要です。例えば、経営計画の策定において、将来の外部環境を考察する際には、新聞の記事が非常に有効です。10年後の会社の事業展開を考える際に、人口動態や為替、海外進出の状況などに視点を向けることで、新聞から得られる情報が役立つことに気づくでしょう。

また、月に一回など、適度な頻度で新聞の記事を相互に発表し説明し合うなどのアウトプットの場を設ける取り組みを行っている会社もあります。

他の人に教えなければならない、ということが新聞のインプット活動を刺激します。

■結論

社員や部下に新聞を読むよう促すことは、組織全体の視野を広げ、長期的な視点を養うために極めて重要です。新聞購読を通じて、多様な情報をインプットし、それをアウトプットに活かす環境を整えることで、組織の成長が促進されます。

新聞を読むことの意義を深く理解し、その重要性を社員に効果的に伝えることで、組織全体の視野を広げることが可能です。これにより、社員は多角的な視点を持ち、新しいアイデアや戦略を生み出す能力が向上します。最終的には、組織全体が長期的な成功を収めるための基盤が築かれるでしょう。

これらが組織において習慣化されることで、組織の視野と戦略構築力は高まっていくことでしょう。


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