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自分たちは何屋さんなのか?

経営のヒント
2025.01.29

突然ですが、皆さまの会社は何を売っている会社でしょうか?
パンを売っている、自動車を売っている、精密加工技術を売っている、保険を売っている、有形のものも、無形のものもあると思いますが、何かを売って対価を得ていらっしゃると思います。何屋さんか、と問われれば、パン屋、自動車販売屋、精密加工屋、保険屋・・といったようにお答えになるのではないかと思います。 

私は「自分たちは何屋さんか」という問いを投げかけさせていただくことがあります。
その真意は、お客さまは「本当はなぜ」その商品やサービスを自分たちの会社から買って頂いているのかを考えることにあります。 

この問いを投げかける場は主に2つあります。
一つは、今の商品・サービスを磨きこむ場面、
もう一つは、中長期の事業戦略を考える場面です。

・自分たちが磨きこむべきポイントはどこなのか?

お客さまがパンを買うのはなぜか。スーパーで並んでいる大手メーカーの食パンや菓子パンではなく、割高なのに自分たちのお店で買われるのはなぜか。

例えば、お野菜をたくさん使った総菜パンでちょっと自分にご褒美、焼き立てでふっくらした食パンがあるだけで朝食から満たされた気持ちになれるから、といった理由で買って頂けているのであれば、「豊かで満ち足りた気分になれるパン」を売っているのでしょう。ではその気分をもっと感じていただくために商品はどうあるべきか、お店に入ったらどんなディスプレイになっていればよいか、接客はどうか、など見直すことがたくさん出てきます。
精密加工の会社であれば、加工精度だけでなく、例えば長年培ってきた経験でその上流と下流の連携を分かって余計な説明もいらず発注できることが価値である場合があります。であれば「お客さま先のバリューチェーンの一員としての加工」を売っているのでしょう。であれば磨きこむべきところはどこにあるか?このままベテランがいなくなるとその連携が危機だから若手へ受け継ぎノウハウを可視化しよう、などと考えることができます。

今の商品やサービスでもっとお客さまに喜んで頂くには何をすればよいか、何が足りないかと考えるときに有効なアプローチだと思います。

・売っている価値をそのままにモノやサービスを変化させるとどうなるか?

自社のサービスがこのまま数十年もかわらず続くと言える会社は多くはありません。となると今の事業を行いながら、新しい商品やサービスを開発したり、事業を立ち上げていきたいと考えることは必然です。
そのときにも、まず「自社は何屋さんか」を考えることが有効です。その場合は「〇〇〇な<商品・サービス>」というときの、〇〇〇だけを残して考えます。

パンを売っている会社であれば、「豊かで満ち足りた気分になる」他の食品やサービスのアイデアを考えていくこと、精密加工技術を売っている会社であれば、「お客さまのバリューチェーンの一員として」提供できるほかのサービスを考えること、などが新規事業のタネになります。

このやり方の良いところは、「強み」を軸にできることと、会社として社会に貢献する「価値」がバラバラにならず太くなるということです。ブランディングにも有効です。会社の使命もおのずと明らかになり社員の帰属意識も強まります。
これからの会社の未来に向けて、どのような軸をもって、新しい商品やサービスを開発したり、事業を展開していくのが良いかと考えるときに有効なアプローチといえます。

毎日扱っている商品やサービスについて、自分たちが一番分かっているはずという思い込みはどうしても存在します。
本当はなぜ買っていただいているのか、何に価値を感じていただいているのか、その定義を見直すことで気づきが生まれます。この機会にぜひ頭を柔らかくして考えてみてください。


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