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「世界最強のパスポート」を活用し世界に目を向けよう

知恵のバトン
2025.02.12

「海外旅行に行きづらくなった」と思われている方は多くいらっしゃると思います。
近年の円安や諸外国の物価上昇などにより、以前ほど気軽に海外旅行に出かけることは難しくなっています。
実際、ピークだった2019年の日本人出国者数が2008万人だったのに対し、2024年は1301万人と大きく減少しています。

そのような状況の中、「2023年の日本人のパスポート保有率はおよそ17%」という記事が目に留まりました。
17%ということは、パスポートを持っているのは国民の約6人に1人ということになります。
韓国はおよそ40%、アメリカは50%、台湾は60%、イギリスは70%超とのことですので、日本は明らかに保有率が低いことが分かります。
コロナ禍前の2019年時点でも約24%ですから、もともと低かった保有率がさらに低下したことになります。

「パスポートを持っているか否か=海外に行きたいかどうか」と単純に考えられるものではないと思います。
例えば、今はパスポートを持っていなくても、将来的に海外に行きたいと思っている人はいるはずです。
しかし、大きな傾向としては、「海外に行くつもりのない人の割合が、諸外国に比べ圧倒的に高い」ということは言えるのではないかと思います。

日本のパスポートは、世界190以上の国・地域にビザなしで訪問でき、毎年「世界最強」の座を争うほどの力を持っています。
日本が築き上げてきた国力や対外的評価の賜物です。
それでもパスポートを持たない人が圧倒的に多いのは、経済的事情や治安の不安、休みが取れない等様々な背景があると思いますが、根底の一つには「日本で満足」という思いがあるのではないか、と私は考えます。
私自身、インド駐在や、その他の国への出張や旅行など、少しではありますが海外で過ごした経験があります。
そこで感じるのは、日本ほど安くて美味しいものを食べられ、正確で丁寧なサービスを受けられる快適な国は稀有だということです。満足するのも当然です。

一方で、少々不便でも海外に行ってみることで、日本の本当の良さがわかるのも事実だと思います。「異邦人」になることで初めて気づくことは多いです。
また、日本は安全快適な国で良いところが沢山ありますが、完璧ではありません(完璧な国はどこにもありません)。
言い換えれば、日本にはない良い部分や学ぶべき部分が、どの国にも必ずあるはずです。
そうした良い部分を素直に謙虚に見聞きし、体験して日本に持ち帰ることが、ゆくゆくは日本をより豊かにすることにつながると思うのです。

そのような観点から、冒頭で紹介したような出国者数が少ない状態が続くことは、長期的には内向き志向が強まる懸念があるのではないかと考えます。
出羽守ではいけませんが、海外にも目を向け、「違う世界がある」「もっと凄い世界がある」と実感することは、視野を広げ、自分自身の刺激にもなるはずです。
もしかするとビジネスの種になる気づきがあるかもしれません。

今後、過度な円安が是正され、日本人が海外に行きやすくなることを願うとともに、日本人が「最強のパスポート」をもっと活用し、日本の良さを理解しつつ、諸外国の良いところを取り入れていく未来を期待します。

小宮 弘成


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