先週、当社のツアーでモロッコとスペインを訪問しました。当社のスタッフも含めて28名で行きました。
モロッコではカサブランカ、マラケシュ、ラバトを訪問しました。モロッコは人口約3800万人の国で、アラブ人が65%、ベルベル人が30%です。宗教はイスラム教スンニ派でマイルドなイスラムですが、街を歩いていると礼拝のコーランの音が聞こえることがあります。1日に5回礼拝するとのことです。モハメッド6世国王を元首とする立憲君主制で、ホテルのロビーなどには国王の肖像が飾られています。イスラム国ですが、ホテルや外国人の来るレストランではお酒も飲めます。モロッコ製のビールやワインも結構おいしかったです。
カサブランカは映画で有名ですが、モロッコ最大の都市で港湾都市です。フランス統治時代に白を基調とした都市づくりが行われたので、街全体が白で統一されたきれいな街です。一方、マラケシュは赤で統一されています。マラケシュは迷路のような路地が多数行き交い、その雑踏が独特の雰囲気を醸し出していました。
首都ラバトでは、JETROの所長さんからレクチャーを受けました。モロッコはEU諸国と自由貿易協定を結んでおり、そのこともあり、日本の自動車部品メーカーなどが進出しているとのことです。フランスの自動車メーカーがモロッコ国内に工場を持っており、そこへの部品供給とともに、EU諸国へも部品を輸出しているとこのことでした。
もうひとつ印象に残ったことは、モロッコと地続きの西サハラという地域をモロッコは支配しているのですが、それを日本がモロッコ領と承認していないため、モロッコは大阪・関西万博に不参加だったということでした。
モロッコを後にして、地中海を挟んだスペインに移動しました。首都マドリッドとバルセロナを訪問しました。地中海を挟んでのモロッコとスペインですが、文化の違いに驚きました。元々スペインもイスラム世界に属していましたが、その後キリスト教の世界に入りました。
マドリッドでも、バルセロナでも、観光客の多さが際立ちました。日本でもオーバーツーリズムが大きな問題となっていますが、スペインでも同じです。バルセロナでは有名なサグラダファミリアを訪問しました。08年、13年にも訪問したことがありましたが、完成度は上がっているもののいまだ工事中でした。2030年以降に完成とのことです。ここでも大勢の観光客が詰めかけていました。マドリッドの王宮でも同様です。
モロッコでは独特の香辛料を使った料理が多かったのですが、スペインでは日本人の口に合いやすい海鮮料理やパエリアを楽しめました。
日本に戻ってまだ数日ですが、やはり、日本は街のきれいさや安全、そしてサービスの良さは抜群です。マドリッドの空港では荷物をターンテーブルで受け取るのに通関後1時間ほど待たされましたが、羽田ではそんなことはなく、またターンテーブルを回ってくるスーツケースも、持つところが手前にきて取りやすいように配慮されて流れてきます。帰国した日の夜はファミリーレストランで食事をしましたが、サービスも良く、そして何よりも安いです。食べた夕食の2人分の総額が、マドリッドのプラド美術館で食べた昼の軽食2人分の7割程度の値段でした。円安もありますが、日本は物価がある意味とても安いと感じます。これでは外国人が大勢来るはずです。日本の国力が落ちていることが心配です。
小宮 一慶