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データ環境と言う見えないものへの投資 中小・中堅企業へのAI導入②

経営のお役立ち情報
2020.12.14

中小企業や中堅企業に対してのAIの導入について検討しています。
日本の生産性を高めるために、企業数が多い中小中堅企業へのAIの導入による生産性の向上が必要だと思い、いろいろな考え方を仮説も交えて書いています。ぜひご笑覧ください。

 

AI導入における問題点→データ環境が足りない

その中で見えてくる問題点としては、導入に先立ってまずはデータが圧倒的に足りないと言うことです。
これは1つの分野におけるデータ量とともに、あらゆる分野におけるデータの幅という両面からといえます。

企業は様々な活動をしています。人が日々出勤をしたりテレワークしたり、工場で何かを生産したり、営業に訪問に行ってお客様と話しをしたり、お客様が来店して何かを購入したり、購入せずに去っていったり。経理で企業の取引が会計処理をされてたり、請求書の発行や発注書等のやりとりがあったり、等もろもろです。

そのような行動がどれだけデータとして溜まっているかというといかがでしょうか。

AIにビックデータを与えると言う事は、データを与えると言うことです。データと言う形になっていなければAIは食べることができないと言うことです。料理がされていない材料が転がってるような感じです。それを、行動すればするほどデータとして蓄積される状態にしていくということがまずAIの導入において重要なことです。

あらゆる行動や状況がデータとして蓄積されていけば、AIはその相関関係や特徴量から様々な現象を見出します。
例えば晴れた日の朝には来客数が多く、〇〇と言う商品がそのような状態ではよく売れるといったようなことです。
こういった事は、人間の思考だけではなかなかうまくいかない部分もあります。集めるデータの幅インプットするデータの幅によって結びつけが得られると言う事でもあります。

古傷が痛むと天気が崩れる

人にも、よく思いもしないつながりから何かを予測する人がいます。例えば肘が痛くなると天気が悪くなる、というようなことです。
これは気圧の関係か何かによって、古傷が痛むこととその結果天気が悪くなるということを何回も繰り返してきた結果、関連性としての特徴を人間がつかんだ結果の予測です。

AIにとってみれば、古傷が痛む痛まないという情報と、天候がデータとして蓄積されていなければその特徴を掴むことができません。逆に言えば、データとして蓄積していれば、なにがしかの傾向を人間よりも早くつかむ可能性があります。と言うよりも確実にそうなることでしょう。

このように、一見何の関係もないようなことから相関関係を見出すためには何の関係もないような範囲の情報をデータとしてインプットすることが大切です。

 

人間とAIのインプットの違い

人間は、それがデータ化されていようがしまいが五感から入ったものをそれなりの情報として脳に蓄積していきます。それは実は顕在化された情報よりも深いものを読み取っていることもあれば、見えているのだけれども頭に入っていないことなどもあります。これはスコトーマ(心理的盲点)と言って人間の脳が最適化するために自分にとって本当に必要なもの以外を排除する働きです。RASの働きともいえます。
当たり前ですが、人間は画像として入ってきたものは画像として、感情として入ってきたものは感情として、文字として入って見つけたものを文字として、数字として入ってきたものは数字として認識しそれぞれを結びつけて考えることができます。マルチモーダルによる情報のインプットといえます。

人間は意識的にも無意識的にも、様々な情報がある分野に頭では非常に精度が高く、そしてある分野にとっては非常に精度が低くインプットされているという状況です。

一方で現段階のAIにおいては、数字数式と言う形に置き換えられたものでなければ理解することができません。(ひょっとしたら最先端のAIは違うかもしれませんのでその場合にはご指摘ください。)

データと言う形で、食べられる形にトランスレートされたものについては等しくインプットされます。そのインプットについての強弱などは特にありません。逆に強弱をAI自体が判断し特徴づけるということです。

AIについての投資判断

特にAIだからと言うわけではありませんが、会社や人が投資判断をするときには当たり前ですが投資対効果を考えます。

投資により想定される効果の期待値(現在価値) 投資額

投資に対して、そこから想定されるリターンの期待値がどの程度かと言うことです。そこに時間軸の概念を合わせて割引現在価値と言う考え方で判断をするのがファイナンスの検討でよく行われる手法です。M&Aについての企業価値算定もこの考え方で行われるとこが多いです。

この部分については改めて説明をします。

AI投資については、入り口でデータ化環境を作る投資が必要になります。これは先ほど説明をしたようにAIの食べ物がデータだからです。そしてこのデータ環境については大企業においても十分に整っているわけではないと言うことです。ましてや中小中堅企業においてはなおさらのことといえます。
このためのコストが、数百万円程度かかります。もちろんこれは状況に応じて異なりますもっと安くなることもあればもっと高くなることもあります。

データ環境が整って、AIのシステムを投資するかクラウドなどで調達をするなどによって回します。この時に自社の人員だけでは、難しいので専門人材を採用したりコンサルタントに依頼をします。

AI導入の成功事例に大企業が多いのは、その初期投資やランニング投資に耐える資金力を持っているのが大企業であると言うことと、またAI導入の効果が出やすいのが大企業であると言う事でもあります。
先日の記事でも説明しましたが、コールセンター2000人いる大企業と10人いる中小企業では、コールセンターの入電予測をすることによって2割のシフト効率化ができたとしてもその効果が全然違います。
大企業であれば400人分のシフトが他の支援に回せます。一方で中小企業であれば2人分のシフトが軽減されるだけになります。
400人分の人件費コストが低減されることになるのであれば、AIの投資とランニングコストについてはそれだけでほとんどまかなえます。

大企業にとっては、資金力も人材もある程度揃っているのでAIの導入についてのトライアルができる状況です。そして先ほど申した投資対効果が見込めやすいと言う状況があります。

一方で中小企業中堅企業にとってみれば、資金力と人材面において難しい面があるのと、投資による期待値が見込みづらいということがあります。

投資により想定される効果の期待値(現在価値) 投資額

で言うところの、期待値そのものが低いということです。またそれに対して投資額は大企業の投資額と大きく違うわけではありません。以下のようなイメージです。

 

AIの投資判断をデータを生かした事業戦略に落とし込む

このような状況の中で、中小企業や中堅企業がAIに対しての投資を積極的に行うためには、現状のビジネスのデータ化を進めてそこから特徴量を見出して施策に落とし込むという発想ではなかなか難しいです。

ではどうすれば良いかというと、データ環境を想定した上でこれからの事業戦略を練り実現していくということです。データを活かしてどのようにお客様に選ばれるのか、今までお客様に選ばれていたことをもっと付加価値高く実現できるのかということを考えるということです。

データ環境を想定した、事業戦略を立ててその上で投資に対しての効果の時間軸をしっかりと取りながら検討すると言うことです。M&Aにおいても投資額に対しての回収は5年から10年の範囲で想定されることが多いです。
つまり、投資したものをすぐに回収しようとしないと言うスタンスが大切です。ただし、投資をしたものがずっと使い続けられるものであるということが大切です。
データ環境に関して言えば、AIの食べ物がデータである以上はデータ環境はこれからの企業経営にとって必須であるといえます。
データ環境悪化した際に、想定できる期待値と言うものをどのように見込むか、そしてその期待値をどのような時間軸で見込むのかと言うことを考えた上でデータ環境に対しての投資判断をするということが求められるのです。

今後、データ化環境・AI投資に対してのコストが低減され、AI導入に係るランニングコストの低減されてくる状況の中で、それが想定される期待値を下回るタイミングになれば普及が一気に進む状況になることでしょう。
これがどれぐらいのタイムスパンで実現するかということについて注意深く見ていくとともに、積極的にその中に関わっていきたいと思っています。

コンサルタントとして、この導入の促進に貢献できるとするとAI導入に対してのデータ環境による事業戦略の構築と、データ導入による効果を具体的に表現するという事です。(上記の図でいうと、投資の時間軸と期待値の強化への貢献)

無駄にハードルを上げて考えることなく、自然体でできることをやってみたいと思います。


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