哲学者マイケル・サンデルのこの言葉は、評価や数字を重視する現代の組織にもそのまま当てはまるように感じます。
私たちは日々、売上や達成率といった結果を追いかけています。それを「成果」と呼ぶことも多いでしょう。しかし、ここで一度立ち止まって考えてみたいのは、成果と結果は本当に同じものなのか、ということです。
結果とは、目に見える数字や達成の事実です。
一方で本来の成果とは、誰かの役に立ち、価値を生み出したという実感そのものではないでしょうか。
結果は成果の一つの表れではありますが、結果だけを目的にしてしまうと、「結果オーライ」の世界に入り込みます。うまくいったやり方が正解となり、うまくいかなかった試みは語られなくなる。挑戦は減り、失敗からの学びは細っていきます。
これは個人の姿勢の問題というより、そう振る舞うほうが得になる仕組みが私たちをそう動かしているのだと思います。
本来、経営が育てるべきなのは結果の競争ではなく、成果――つまり誰かの役に立つ価値が生まれ続ける循環です。お客さまに喜ばれる工夫を重ね、仲間と学び合い、信頼を積み上げていく。その積み重ねが、あとから結果として表れてきます。
結果を追う経営と、成果を育てる経営。
どちらが長く強い組織をつくるでしょうか。
私たちが大切にしている言葉があります。
「お金を追うな、仕事を追え」
結果を追いかけるのではなく、価値ある仕事に向き合い続けること。
そこにこそ、本当の成果と成長が生まれるのだと思います。
馬場 秀樹