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問い続けるリーダーの志と生きる目的

知恵のバトン
2021.03.23

先日、「ストレングス・ファインダー」という自身に宿る強みを見える化するテストを受け、社内で共有する機会がありました。結果は強く腹落ちするもので、自己肯定感が増し、これまで抱いていた志や使命をさらに後押ししてくれる機会となりました。心の内を披歴するようで恥ずかしいですが、私の強み上位3つは1.原点思考、2.信念、3.成長促進の3つでした。皆さまの志や使命を磨くうえで大変参考になると思います。是非機会あれば活用されては如何でしょうか。以下、「原点思考」に従い稿を進めます。

何のために生きるのか、或いは生きていくのか。1年の中でこうした問いに対する自身の死生観、人間観、或いは人生観と向き合う時節が3回ほどあります。20代の頃は母の命日である55日、30代になってからは815日の終戦の日、そして先日の311日、10年の節目を迎えた東日本大震災発生の日です。この10年が早かったのか長かったのか、それは被災された方々一人ひとりに思い致せば、そこにはそれぞれの風景、葛藤、そしていま生きていることへの思いがあるように思われます。私の生まれ故郷である釜石にはこの震災の教訓を後世に伝えようとする語り部(かたりべ)の方々がおられます(被災地各地に多くの語り部がおられます。語り部は同時に被災者であり、ご遺族の方です)。地域の小中学生全員が助かったことで“釜石の奇跡”と言われた鵜住居地区に一人の若い女性がおられます。その方は奇跡と呼ばれることに違和感を覚え、語り部をしながら葛藤があったそうです。助からなかった人も大勢いる。その事実からも目を背けてはならない、との葛藤です。そのすべてを伝えなければならないと覚悟を定めた出来事がありました。それは震災遺構として残る宮城県石巻市の大川小学校の遺族の方々との交流の機会でした。大川小学校では避難が遅れ多くの児童が津波に飲み込まれてしまいました。釜石の奇跡に対して悲劇の場所として報道されました。そこにも児童の遺族で語り部をされている方々がおられます。大川小学校の残された壁面には「未来を拓く」と記されています。亡くなった児童が生きた証を後世に引き継ぐために校歌に準えて残された言葉です。その言葉に、全てを語り継いでいかなければならないと、覚悟を新たにしたとのことです。

語り部の方々の話しを聴いているとそこには共通して深い共感力があります。人間はつらい体験をすると、人の痛みのわかる人間になりやすいと言われます。この力は様々な意味を感じ取る力(有意味感)として心理学の叡智は語ります。歴史にはそうしたつらい出来事が沢山あります。その時、人間はどのように現実を受け止め、生き残ってきたのか。そこに未来を拓く教訓が詰まっているように感じます。現在コロナ禍。人生のみならず命さえも翻弄された時代に共通する時節かもしれません。こうした時代生き、自分は何のために生まれ生きていくのか、そのことを問う。自分の人生を自らがリードすること、これはリーダーの前提条件です。そのためにいまこそ唯我独尊(人間として生まれたこと、そのことが奇跡的に有難いことなのだという釈尊の教え)を問い、かけがえのない自分という人間を良き未来のために生かす道を改めて問うてみては如何でしょうか。


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