私たちは、それぞれの企業がミッションとビジョンを持つことをとても大切に考えています。経営理念であったり、パーパスであったり、様々な表現があります。それぞれ、しっくりくる表現を使って頂ければよいと思いますが、ここでは、ミッションとビジョンについて私たちの考え方をお伝えします。

1．ミッションとビジョンの定義

＜ミッション＞

ミッションとは「自社が果たすべき使命であり存在意義」です。
ピーター・ドラッカーは、企業は「社会の機関」であると言っています。お客さまへの貢献を通じて、社会に貢献する企業は、それぞれに「独自の使命」を持っています。
お客さま、社会にとって、さらにいえば働く仲間や関係する組織や人々にとって、何のために存在しているのか、どのような貢献をするのか、ということを定める必要があります。

＜ビジョン＞

ビジョンとは「自社が思い描く、ありたい未来の姿」です。
ミッションに従って、どのような企業となりたいのか、それをはっきりと客観的な姿で描くものです。お客さまや社会からどのような評判を得ているのか、それを実現している組織はどのような姿なのかなど、何年後にこうなる、というビジョンが具体的に描けることが大切です。

2．ミッション・ビジョンを実現する手段が経営計画

ミッションとビジョンをどのように実現するのかという具体的な計画が経営計画です。
ですから、経営計画に全社員がコミットするためには、その前提となるミッションやビジョンが、社員にとって魅力的であり、その企業で働く意義を感じるものであることが必要です。
皆さまの会社では、皆がわくわくすることができ、心から共感できるミッション・ビジョンになっているでしょうか。

そしてさらにもう一つ重要なのは、経営者が誰よりも強くそのミッションとビジョンを強く心から信じられているか、ということです。ミッション・ビジョンは、企業の方向付けの軸となるものであり、社員一人ひとりが共感し腹落ちするまで、繰り返し、繰り返し、伝えていくものです。
特に、何代も続く企業においては、ミッションやビジョン（時代的に経営理念という表現になっているものが多いです）があっても、形骸化している場合もあります。そのような場合は、本当に経営者をはじめとして、経営幹部の方たちも一緒に改めて見直しをすることもお薦めしています。