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徳川家康から学ぶ人材採用・掌握術

経営のヒント
2022.07.29

今年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」はなかなか好評のようですが、来年の大河ドラマは「どうする家康」が予定されています。大河ドラマとして徳川家康(1543-1616)が取り上げられるのは1983年の「徳川家康」、2000年の「葵三代」に続いて三度目となり、家康の存在感の大きさを感じます。

 

私は長年、家康には強い興味をもち、特にその組織マネジメントには学ぶことが多いと感じてきました。今回は、その中でも特に「人材採用・掌握術」について、家康から学べることを考えてみたいと思います。

 

●人材採用

家康の人材採用の特徴の一つに、「かつて敵であり、自分を苦しめた相手の家臣ほど、積極的に採用している」ことが挙げられます。

 

象徴的な例が、1582年に武田家が滅亡した際に、その家臣を多く抱えたことです。

家康は、三方ヶ原の戦い(1573)で武田信玄に敗れる等、武田家には非常に苦しめられました。

それは、武田家が武田信玄のリーダーシップに加え、中間層のマネジメント力、現場の規律共に非常に強い組織だったからです。

 

そんな武田家が滅亡した後、家康は武田家旧家臣達を積極的に採用していきます。

この後、徳川家の軍事力は格段に向上し、旧家臣達は家康の天下取りに大きく貢献していきます。

 

これは、現在で言えばM&Aで買収した会社の人材を取組むことにより、組織能力が大きく向上していくことと通じています。その際、自分達よりもより優れている組織・人材を吸収していくくらいの方が、結果的に大きな目標を実現していくことができるのです。

 

家康は、武田家の他、今川家、北条家が滅亡する度に、その旧家臣を多く抱えています。人材の移動が激しくなかった当時、他家の滅亡は大事な人材獲得の機会だったのかもしれません。

 

現在は人材の移動は激しいものの、人口減少の中で採用難の時代に入りつつあります。今後、人材獲得を目的としたM&Aも増えていくかもしれません。

 

●人材掌握術

徳川家は、家臣達の忠誠心が厚かったことで有名で、豊臣秀吉にも羨ましがられていました。

 

もちろん、長年に渡る累代の家臣だったから、というのもありますが、私は家康の人材掌握術の巧みさもあったのではないかと考えています。

 

一つには、家臣の使い方が「目的志向」であり、私情を交えた感情を極力抑制していたことがあります。

家康の遺訓の中に「怒りは敵と思え」という一文があります。家康は怒って相手の感情を害し、目的が達成されないよりも、相手が必要なことをきちんと遂行してくれることを重視したと言います。

 

もう一つは、家臣も含めて相対する人を追いつめ過ぎないということです。

家康は、若い頃に自分に対して反乱した家臣に対して相当寛大に許しています。このような中には、本多正信のように家康の天下取りに大きく貢献した家臣も沢山いました。

 

こうした家康の人心掌握術も、現代の経営上のリーダーシップの中では学ぶべき事が多々あると感じます。

 


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