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船を造りたければ海への憧れを教えよ

今週の「言葉」
2024.09.18

星の王子様の作者、サン・テグジュペリの言葉です。
正確には

船を造りたいのなら、材木を集めるために人を集めたり、彼らに仕事や作業を割り当てたりするな。彼らに海の無限の広さへの憧れを教えよ。

となります。

ここでいう「海の無限の広さへの憧れ」とは、事業に置き換えると何でしょうか。私は「使命」ではないかと思います。経営者や幹部になる皆さんには、使命という代わりに「もっと夢を語ってください」とお願いすることもあります。船をつくるという事業において大切なのは、材木や人というリソースや作業ではありません。関わる人たちの原動力です。そして、その原動力の元となるのが夢であり、それを語る姿です。

原動力をモティベーションという言葉で表現することもあります。作業に対して報酬を払うことで生まれるモティベーションは外発的なものです。それだけでは長続きしません。まして、私たちの夢は、「海の無限の広さ」への挑戦です。その事業に参加すること自体に働きがいを感じてもらうことがなによりも大きな原動力となります。そのためには、夢を持っているだけではなく、語る言葉を持っていることが重要になります。それが、使命感として伝わるのだと思います。

サン・テグジュペリが、憧れという言葉を使っているのは、「使命」を表そうとしてのことだと思います。海の無限の広さという機会ではなく、そこに挑戦する自分たちにとっての意味を伝えよと言っているわけです。単に機会があると伝えるだけでは、仕事を与えるだけなのと変わりません。自分たちにとって、それがどんな意味を持つのか、それを語ることで心が動かされます。私たちは、やっていることの意味を見出す力があり、欲求があります。意味のないただの作業をさせられるほど、嫌なことはありません。

使命とは、文字通り「命を使う」ことです。意味のあることに自分の命を使いたいと思うのは、経営者もそこに参加する仲間も同じです。そうした夢を語り合うための場づくりが経営には必要なのだと思います。


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