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助けを求める

知恵のバトン
2024.10.22

先日、経営者や住職の方などが集まる勉強会に参加する機会がありました。その機会に、ある経営者様が話したエピソードです。

・自社の事業で、お客さまとの間でやっかいな問題が発生した。
一両日中(祝日)のうちに現地対応を求めるご連絡をいただいたのだが、自分は本社から遠く離れた地方に出張中ですぐには戻れない。社内に適任者も見当たらない。

・考えあぐねた結果、その事業で協業していて、お客様の近くにいる他社の経営者に、緊急のご対応をお願いできないか頼んでみることにした。
すると、その方は祝日にもかかわらず「喜んで」と快く引き受け、対応してくれた。
対応後に改めて自分からも同お客さまへご挨拶したが、たいへん満足されているようでほっとした。

・代わりに対応しピンチを救ってくれた方からは「もっと早く助けを求めてきてもよかった。助けを求めないのはプライドか?あなたは今まであなたなりに徳を積んで来たのだろう。遠慮なく助けをもらえ」と言われた。
困っているときには「困っている」という発信をすることが必要だと痛感した。

そのエピソードを聞いていた住職の方からは、次のようなお話がありました。

・観音様は、音を観察すると書く。音を聞いている。つまりは、音を聞かないと、その人を助けようにも助けられない。
「助けてください、困っているんだ」という気持ちを出すことが大切だというのは、観音経にも書かれている。

助けてほしいと思うなら、声をあげないと助けてもらえない。
言われてみれば当然のことですが、私たちが普段、意外とやっていないことではないかと思います。
察して気を利かせ合うコミュニケーションも大切ではありますが、まったくの無音から察してくれというのも、無理があるだろうというわけです。

その場に居合わせた参加者間での振り返りも、印象的でした。

・助けてもらいたいなら、その前提として、自身の目標を普段から発信し続けることも大切だろう。
その人が何を目指したいのかを認識してそれに共感しているからこそ、その人を助けようと思えるのではないか。

・自分が目指す目標を達成できたときを想像してみる。
そのときには、どんなメンバーで達成したのか。誰と喜んでいるのか。誰に感謝の言葉を伝えるのか。
そうしたイメージの具体化が、運気を引き寄せることにつながるのではないか。

・そして、そうした人たちをどう巻き込んでいけるか。巻き込むには、なぜその目標に取り組みたいのかの理由が語れる必要がある。
その理由には、わくわくする未来が盛り込めていること。その理由が、すべてのタスクにおいて語れる必要がある。

・そして、そうした人たちにもお困りごとがある。そのお困りごとが何なのかを聞き出せると、相手と良い関係ができるはず。
落ち込んでいる人は、自分にできることなど何もないと卑下しがちだが、どんな人でもお役立ちできることが必ず何かあるはず。

前回の本コラムでは「理不尽」がテーマでした。世の中は理不尽、ビジネスは理不尽。
理不尽な環境下で、どのように成果を上げられるかを考えて取り組む。その通りだと思います。
そのうえで、自分1人や自社内だけで解決させようとする必要もないのだと思います。

目指す目標を明確に描く。描いたことを関わる人に伝えておく。助けが必要なときには助けてくれと声をあげる。関わる人のお困りごとを聞く。
そうしたチームプレーで、理不尽な環境に対応していけばよいのではないかと思います。

藤本 正雄

 


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