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経営のバトンタッチ ~使命感や戦略はお客様に届いていますか?~

知恵のバトン
2024.12.10

皆様は「経営のバトンタッチ」という言葉をご存知でしょうか。もちろんご存知ないと思います。なぜなら、これは私の造語だからです。

経営理念(使命感)やビジョン、経営戦略などを、経営者の方や、経営陣の方と共に対話をして深めていくことが我々コンサルタントの仕事なのですが、自分で言うのもなんですが、それだけでは社会やお客様にとってのお客様にはほとんど役に立ちません。
経営理念(使命感)やビジョン、経営戦略などは、結局それがお客様や社会に伝わってこそ世の中の役に立ちます。
経営者が、ご自身の心の中だけで納得していても、また、経営陣と内輪の中だけで合言葉のように使われていたとしても、それだけでは、単なる内輪の慰め事にしかなりません。
では、どうすればせっかく考えたそれらのことが、社会やお客様への貢献として伝わるのでしょうか。

それは、皆さんの会社の商品サービスが、何を通してお客様や社会に伝わるのかを考えていただければ、観察していただければ明らかであると思います。
つまり、皆さんの会社の現場の社員さん達が直接お客様に対して商品サービスをお届けしているはずです。(そうでない会社もあるかもしれませんが)
経営者や経営陣である皆様は、自分だったらお客様に対して誠心誠意の使命感を持ってビジョンの実現に向けて商品サービスをお届けすると考えるかもしれません。
しかし、社員さん達は、日々の仕事の中で現状をこなすだけで精一杯かもしれません。または、やる気をなくして無気力でいるかもしれません。
使命感や経営戦略を商品サービスに具体的に落とし込むことは当然のこととしてそのような、社員さんたちの状況を見ながら、お客様にお届けする商品サービスに対して、せっかくの使命感が乗っかるような取り組みが必要ではないでしょうか。

これはコミニケーションの基本と言える部分ですが、何かを相手に伝えようとしたときに
1.相手がそれを理解できるか わかりやすさや伝える回数
 ⇒年に1回の経営方針発表会だけで話して終わりにしていませんか?
2.相手が感情的に受け入れられるか 信頼と人間関係
 ⇒つべこべ言わずにいいから言われたことをやれ と言うスタンスになっていませんか。また、行っている本人がやれていないことをやらせようとしていませんか?
3.相手が実際に行動できるか 実行・行動できる環境
 ⇒取り組むための時間がそもそもない、既存の取り組み一切減らすことなく、新しいことを押し付けようとしていませんか?
4.行動したことが成果につながりますか? 

そしてでも、ここまでの段階を経た後にようやく伝えたことの正しさがわかるのです。
伝えたことが、しっかりと成果につながることであれば、ここで皆さんは言われたことをやってよかったと思って良いサイクルが生まれるのです。
組織の階層が多く、コミニケーションが分断されている組織においては、この1から4のステップを経営者から経営陣、経営陣から現場リーダー、現場リーダーから現場の社員、そして社員さんから行動を通して、お客様、という気が遠くなるようなステップでバトンタッチをしていく必要があるのです。
だからこそ、組織の階層はなるべくシンプルにしながら、わかりやすさや感情的な気持ちの方向感が同じ向きに行くように、そしてそれぞれの相手の事情を状況を考えて取り組める内容に落とし込むことが、お客様に、社会に届けるために必要になるのです。

そして言うまでもありませんが、人手不足が構造的に続くこれからの世の中においては、従業員さんも第二のお客様といえます。
下手したら第一のお客様と言っても過言ではない位に逼迫してくることが容易に予想されます。
従業員さんに選ばれない=採用ができない、離職率が上がるという事ですが、これがお客様に選ばれないことと、同じレベルに企業の存続に影響を及ぼすようになっていきます。

お客様から選ばれるためには、従業員さんにまで思いを伝えて、行動もできるような環境を整える必要がありますし、それをすることによって、従業員さんからも選ばれる会社であることがこれからの経営において求められるのではないでしょうか。

新宅 剛

 


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