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通常であることの有難さを知ったこの1年

小宮一慶のモノの見方・考え方
2020.12.22

今年最後のメルマガとなりますが、今年は新型コロナウイルスに翻弄された年でした。ウイルスの影響で生活やビジネスに大きな影響が出た方も少なくないと思います。当社などはまだましなほうだと思いますが、それでもセミナーが開けなかったり、私個人は春先には講演や研修が多数キャンセルとなりました。それでもオンラインでセミナーを開いたり、会議にZoomで参加するなど、新しいこともできた年でした。
つらいこともありました。私がとてもお世話になった外交評論家の岡本行夫さんや大阪のテレビ局の役員さんがコロナで亡くなるなど、寂しくつらい年でもありました。
日本経済についての昨年末の私の予測は、今年は年の途中までは景気が落ち込み、その後は、景気は持ち直すのではないかと考えていましたが、新型ウイルスの影響で、景気の落ち込み具合は非常に大きく、今後の回復も緩やかではないかと懸念しています。
予期せぬ外部環境の変化で、多くの人や企業が影響を受けており、大変な状況ですが、私は、太平洋戦争時の人々の生活や企業活動のことを思いました。戦争のせいで、企業活動は国家のためが最優先となり、食料なども配給、都会に住む小さな子供たちは郊外に疎開を余儀なくされました。何よりも、戦争のために徴兵された人たちや空襲で犠牲になられた人たちなどで太平洋戦争中には310万人の方が亡くなりました。影響を受けたどころか、命まで失ってしまった方が大勢いたのです。今回のウイルス禍も大変なことですが、有史以来、戦争や災害に私たちは大きく影響を受けて暮らしてきたわけです。自粛も大変だとは思いますが、戦争時や災害時のことを思えば、まだかなりマシなのではないでしょうか。
今年は、「あたりまえの有難さ」を感じた年でもありました。常にマスクを着ける、出張や宴会も控えるなど、通常の生活とはかなり違った生活を強いられたわけで、あたりまえのことがなかなかできず、そのことが逆にあたりまえの有難さを感じさせます。私は「有難い」という言葉を書く時には漢字を使います。「有ることが難しい」からです。そう思うと、感謝の気持ちがわきやすくなります。
私の人生の師匠である曹洞宗円福寺の故藤本幸邦老師は私に多くのことを教えてくださいました。老師からは「無常」ということを教わったことはありませんでしたが、戦争にも行っておられた藤本先生は無常観を持ちながらも、いつも前向きでした。世界中の恵まれない子供たちを救おうとする志がそうさせたのだと思います。こういう厳しい時期ですが、常に感謝の気持ちを持ち、前向きに過ごしたいものですね。
この1年もとてもお世話になりました。来る年2021年が、コロナが終息し、皆さまにとって良い年となることを心より願っています。

【小宮 一慶】


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