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最新学習歴を更新する

知恵のバトン
2021.03.23

「最終学歴ではなく最新学習歴の更新が重要」という大変興味深い示唆があります。「最新学習歴」の概念の提唱者は、京都芸術大学 副学長の本間正人先生のようです。
動画での本間先生の説明内容からいくつかご紹介します。
・環境変化の速い現在、最終学歴の貯金で生き続けるのは不可能。
・変化に対応できる人や組織が生き残る。今まで常識とされてきた概念を捨てる「アンラーニング」も時には必要。新しいことを学び続けないとアンラーニングできない。
・子供に「勉強しろ」と言っている親が学んでいないと、子供が勉強するわけがない。
・日本と米国の大きな違いは、エグゼクティブ・デベロップメント(経営者教育)。部長以上の人たちに対する教育投資の厚みが全然違う。
米国だと、例えば経営幹部個人が年額3万ドルを会社費用で払ってコーチを雇うのも当たり前で、AMP(幹部候補育成教育)に10万ドルかけることも一般的。こうした取り組みも日本企業では非常に少ない。
上記の「子供」「親」を「部下」「上司」に置き換えると、企業内でも全く同じ構図になりますが、日本企業ではこの構図が起こりやすくなっていると言えそうです。
日本企業の教育投資の現状は、そのまま米国企業と日本企業の力の差につながっていると想定されます。
最新学習歴を効果的に蓄積するために心掛けるとよい行動について、ここでは心理的な観点からポイントを2つ考えてみます。
1.大きいことと小さいことに同時に取り組む
教育機関やスクールに通い、新たな資格や学位を取得するための学習をすることは、とても有意義です。
人生の所々で、自身に合った大きな学習の取り組みがあることで、キャリア形成は豊かになりやすいでしょう。
他方、そのような大掛かりな学習だけでなく、日常の仕事や生活の周辺にある様々なことが学習の対象になります。
「異業種交流会で考え方のヒントを得た」などもそうです。
ビジネス書から学んだり、新聞購読を習慣化させたり、習慣化している人は時々他紙と読み比べて視点の違いを分析するなども、学習活動になります。
大きな学習の取り組みだけだと、途中で思うように進まなかった時に自己肯定感が下がります。
小さな学習の取り組みも同時に行うことで、学習歴は更新され続けますし、視野のバランスも取れてきます。
2.自分にとって居心地の悪い場所に身を置く
学びとなる気づきを得るには、居心地の悪い場所(自分以外の他者との関わりからフィードバックを受ける場)に身を置くことが必要です。研修への参加もそのひとつでしょう。
「講師の質問に答えられないと不格好」「他社の参加者が優秀な人ばかりだったら困る」などの状況が自己成長につながるはずです。
逆に、何の緊張感もなく、内容も簡単で、心地よいだけの学びの場は、おそらく本質的な学習になっておらず、学習歴の更新にはならないでしょう。
続かない無茶な計画ではなく、無理なくできる方法にすることは大切です。
その上で、特に経営幹部の階層は、「もう少し本を読んでからでないと気持ち悪くて眠れない」ぐらいの感覚をもってもよいかもしれません。


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