経営の原理原則 「お客さま第一について」 | コンサルタントコラム | 中堅・中小企業向け経営コンサルティングの小宮コンサルタンツ
loginKC会員専用お問い合わせ

コンサルタントコラム

ホームchevron_rightコンサルタントコラムchevron_right経営の原理原則 「お客さま第一について」

経営の原理原則 「お客さま第一について」

経営のヒント
2021.11.12

「お客さま第一について」

 

今回はお客さま第一の考え方について簡単に記載したいと思います。この考え方「お客さま第一」は、これからのKCクラブでも継続的に発信をしていく予定ですので積み重ねて自社・ご自身に落とし込んで考えていただければ幸いです。

ピータードラッカーは、「マネジメント」をはじめ、あらゆる著作の中において、「企業の目的は顧客の創造である」と言っています

 

「企業の目的は顧客の創造である。したがって、企業は二つの、ただ二つだけの基本的な機能をもつ。それがマーケティングとイノベーションである。マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす。」
(※マネジメント 基本原則 ピータードラッカー著 抜粋)

 

弊社においても、お客さまと接する際、そしてコンサルティングを実施する際に、お客さま第一が基本原則になります。これは、上記のピータードラッカーの言っている企業の目的は顧客の創造であると言う事と同じことです。

お客さま第一とは、お客さまのお役に立つために自社の商品・サービスを通じて貢献するということです。つまり、顧客の創造につながるマーケティングとイノベーションを遂行すると言うことです。

 

電話に3コール以内で出る、お客さまの話をする際には、そのお客さまがいるいないにかかわらず「様、さん」をつける、など姿勢としてお客さまを尊重することはとても大切なことではあるのですが、それだけではお客さま第一ではありません。

結局は、それらの姿勢が商品・サービスに活かされて、それをお客さまに選んでいただくことで初めてお客さま貢献ができるのです。(当たり前ですが、お客さまに選ばれなければ売上が計上されることはありません。)
よく、経営戦略論などで「自社の強みを活かす」「差別化」というお話を耳にされるかもしれません。これは、商品・サービスに活かされて、お客さまに貢献することが目的です。

 

 

 

■経営理念とお客さま第一

 

企業の存在目的は経営理念、ミッションです。これは、自社はなんのために存在するのか、ということに対する自社なりの答えです。
弊社では、経営理念には「お客さま第一」に関わる要素が入っていることが良い経営理念の条件ではないかと考えます。

 

お客さまの貢献の先には、社会への貢献があり社会への貢献の先には社会の発展があります。松下幸之助さんが常におっしゃっていたこととして「生成発展」と言う言葉があります。この生成発展と言う言葉は表現を変えて稲盛和夫さんや様々な方がお話しされていらっしゃいます。

宇宙は生成発展しており、企業もその発展に貢献すればビジネスは自然にうまくいくようになっている。と言うことです。
お客さま第一の先には、社会の貢献があり、更に生成発展につながっていると言うことができるかと思います。

 

「自社の強みを活かす」「差別化」された、それぞれの社会を構成する会社・組織の商品・サービスが社会にあふれることによって自然に社会にそれぞれの強みが発揮された生成発展がなされるということです。

弊社においても、例えばお客さまと経営計画書の策定支援を行う際には、その企業の存在目的である経営理念まで立ち返って議論をします。
そして、企業の存在目的としてお客さまへの貢献、生成発展への貢献と言うところまで議論を深めていきます。

 

例えば非常に燃費の悪いガソリン車を販売している会社があるとして、目の前のお客さまにはその車の販売によって貢献をしていたとしても、時間軸を伸ばすと温暖化ガスの排出の問題で社会への貢献は難しくなるのではないかと考えられます。またESGやSDGsと言う社会の流れを踏まえると、周りから応援されなくなることになるでしょう。投資家や金融機関からの資金調達も難しくなることが想定されます。

 

つまり、目の前のお客さま第一だけではなく、中長期的な時間軸を踏まえてお客さま第一を継続するためには、社会への貢献、生成発展の貢献と言う意識が必要になってくると言うことだと弊社では考えています。
企業は中長期的に存続していくこと(ゴーイングコンサーン)を前提としており、お客さま第一の継続の先には生成発展への貢献があるということです。

 

 

 

■お客さま第一の時間軸とそれを実現するための内部資源

 

この単純な例だけをとってみても、お客さまや社会への貢献を中長期的な時間軸で捉えると、目の前のお客さまや関連する業界だけに関心を持っているだけでは立ち行かなくなるということがお分かりになるかと思います。

目の前のお客さまを大切にすることは非常に重要なことであり、現場の方のマーケティング意識を高めることも含めて目の前のお客さまに選ばれるようにするための創意工夫を継続することは企業にとって必須のことです。一方で、時間軸を伸ばして考えたときに、目の前のお客さまの将来像や、社会の将来像を踏まえた上で自社が何によってお客さまや社会に貢献をしていくのかということを具体的に考えて実践していくことが経営です

 

その経営の実践、つまりお客さまや社会満足のいく商品サービスを生み出すためには、組織内の内部資源として「人・モノ・金・情報」が必要になってきます

よく財務戦略や人材戦略、投資戦略と言った言葉が出てきますが、結局は中長期的にお客さまや社会に貢献する、つまり商品サービスで選ばれるために、どのような人モノ金情報のバランスと質・量を実現させていけば良いのか。それらをどのように機能させていけば良いのかと言うことに尽きます。

 

商品サービスが、お客さまに選ばれる事はお客さまへの貢献につながることであり、そして売り上げが上がる事です。当たり前ですが売り上げが上がらなければ会社は存続できません。もちろんコスト以上の売り上げが上がって利益が出なければ会社を存続できません。このようなことから、まずはお客さま社会に貢献をするということがスタートラインになるのです。
その上でどのような価格で選ばれるべきか、どのような人モノ金情報のバランスを考えるべきか、といった様々な論点が出てくるのです。

つまり、企業は顧客の創造を目的として存在し、人・モノ・カネ・情報への投資等はそのために必要な要素として存在すると言うことです。

 

「お客さま第一」は今後も、KCクラブでも継続的に取り上げていきます。ともに積上げて参りましょう。


お問い合わせCONTACT US

コンサルティング、セミナー、KC会員についてなど、
お気軽にご相談ください。