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逆境にあるときは身の回りのものすべてが良薬となり、節操も行動も知らぬ間に磨かれていく

今週の「言葉」
2022.03.18

今週の「言葉」

「逆境にあるときは身の回りのものすべてが良薬となり、節操も行動も知らぬ間に磨かれていく」

出典: 守屋洋『[決定版]菜根譚』 (PHP研究所)

 

【菜根譚(さいこんたん)について】

今週の言葉は「菜根譚」よりご紹介をさせて頂きます。菜根譚は、中国古典の一つで、戦乱で荒れていた中国の明代末期(約400年前)に「何を信じて生きていけばいいのか」という不安を抱えている人に向けて書かれたものでした。日本には江戸時代に紹介されました。

最高の処世術を説いた書籍と言われていて、厳しい・難しい世の中をより良く、うまく、成功するための実践的な生き方・知恵がまとめられています。生きていると楽しいこと、嬉しいことばかりではなく、大変なこと、つらいことも多くあります。特に現代は、想定外のことが起こることも多く、また様々な価値観が入り交じり、無意識でいるとネガティブな方向に引っ張られてしまうことも多いものです。そうならないための知恵・生き方の極意が360の短いコメントで構成されています。

「実践的」という点が菜根譚の大きな特徴だと思います。読んでいると「たしかに以前そういったことがあった」と思うことが多く、自身の普段の立ち振る舞いを反省し、見直すことに大いに役立ちます。

 

【今週の言葉について】

新型コロナウイルス感染症の蔓延やウクライナ侵攻により、経済の先行きは不安定なものになっており、中堅・中小企業も含めたあらゆる業界に望ましくない影響を及ぼしています。いわば「逆境」の状態です。この言葉には逆境の状況の生き方・考え方のエッセンスがつまっています。これは言い換えると「苦労は買ってでもしろ」ということに通じます。「逆境における苦労」が自分や会社を磨いていくということです。

実は、この言葉のあとに、もうひとつの言葉が記されています。
「順境にあるときは目の前のものすべてが凶器となり、体中骨抜きにされてもまだ気づかない」
これは2つのことを言っていて、一つは「逆境がずっと続くわけではない、磨いていけば順境がやってくる」ということ。もう一つは「順境のときは自分に目が行きがちで、そんな時こそまわりに目を向け、現状に満足せず次のステップを目指すこと」を説いています。小宮の言う「GoodはGreatの敵」という言葉に通じます。かく言う私自身もこの言葉を心に刻んでいきたいと切に思います。

 

※以下については「菜根譚」に関心がある方にお読み頂ければと思います。
「菜根譚」には、他の古典にはない大きな魅力があります。儒教、道教、仏教の3つ教えが融合され、そのエッセンスが凝縮されているという点です。儒教は、人として・リーダーとしてかくあるべきという表の道徳の教えが書かれています。一方で「こうすべき」だけでは世の中は息苦しくなることがあります。そこで発展してきたのが道教。持続する生き方、人間の本音の代弁をしている裏の道徳が説かれています。しかしながら、両者には悩める心の救済という点が欠けています。そこを補うのが仏教です。3つの教えを融合することで、それぞれの境遇に合わせた気づきを得ることができます。


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