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業務プロセスのちょっとした工夫

知恵のバトン
2022.05.24

ある企業様に対してご連絡する用事があり、ご担当のAさん宛にお電話したのですがご不在でした。「帰社時間ははっきりしませんが、後ほどオフィスに戻ると思いますので、Aが戻ってきたらこちらから電話させます」というのが、電話をとった女性の方の対応でした。(用件の性質上、外出先の携帯電話からではなく、オフィス内でご対応いただきたい内容でした)

 

その後夕方まで待っても電話がかかってきませんでした。私はAさんとその日のうちにコミュニケーションをとりたかったため、もう一度お電話してみました。今度は別の男性の方が電話に出ました。

 

こちらが名乗ると、名前を聞いた途端にさっそく次のような対応でした。「Aからの電話をお待ちになっている状態ですよね。申し訳ありません。外出先で急を要する状況に発展したようで、まだ戻っていないのです。今日中に必ずAから電話させますので、もうしばらくお待ちくださいませんか。」 その後Aさんから電話がかかってきた次第です。

 

私は、Aさん以外に同社内の方とは面識ありませんが、それでも上記のような応対を可能にしています。ちょっとしたことについても、オフィス内にいる全員に情報共有がなされていて、すばらしい体制がとれているという印象でした。

 

それで、話したかった本題に加えて、どういう社内体制をとって上記を可能にしているのかAさんに聞いてみたところ、次のような回答でした。

 

・営業に関する情報は、チャットツールでフォーラムをつくり、そこへ入力するようにしている。その日オフィスで対応している人は、そのフォーラムで更新される情報も随時見たうえで対応するようにしている。

 

・(私の電話のような)ちょっとした電話メモであっても、対応すべき本人に直接伝えたうえで、このフォーラムにも書き込むことを徹底している。作業の手間はかかるが、その徹底がお客さまへの対応の質も高めるし、情報共有なされることで最終的にはトータルで対応の手間も減ることになる。

 

この出来事から、2つのことを感じました。

ひとつは、ITツールを駆使した業務プロセスの改善余地は、いたるところにありそうだということです。また、こうした仕組み化により、「自分個人が担当していることだけでなく、オフィス内で起こっていること全体に関心を持とう」となるのであれば、企業文化を磨いていくことにつながります。

 

もうひとつは、ちょっとした工夫でお客さまの満足度を高める余地があるということです。上記の例を冷静に振り返ると、折り返し電話を待たせているなど、私への対応としては必ずしも良いとは言えません。しかし、情報共有と「今自社で可能な限りでの対応に取り組んでいます」と聞くことで、こちらは勝手に満足してしまいました。

 

上記のような状況に置かれたときに私たちが最も避けたいのは、「先が見えない状態が続くこと」だと思います。仮に今すぐの対応は無理だとして、「いつまで待てばどうなるのか」の正確な状況が分かれば、それで解決される悩みも多いと思います。

 

ちょっとした工夫でお客さま満足度が高まる、ITツールの活用でそれが可能になるということであれば、使わない手はないと感じる出来事でした。

 

<まとめ>

改善・効率化の追求に終わりはない。


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