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物価上昇で貧しくなる日本の家計

経済トピック
2022.05.27

総務省が20日に発表した消費者物価指数(生鮮食品除く総合)は前年同月比2.1%増となりました。上昇率が2%に達するのは消費増税の影響を除くと世界的な資源高だった20089月以来、137カ月ぶりとなります。

世界的な物価高のなか、2021年春にスマホ料金の格安プランが導入されたことで消費者物価指数が抑えられていましたが、その効果が一巡したことで4月は大幅な増加となりました。

物価が上昇すると、同じ所得だった場合、買えるものが減るため実質的に貧しくなります。厚生労働省が9日発表した3月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比で0.2%減。前述したスマホ料金の影響で消費者物価指数が抑えられていた3月ですら既にマイナスとなっているため4月の実質賃金のマイナス幅は拡大すると予想されます。消費者物価指数に先行する企業間物価指数は4月の数字が前年同月比10.0%増と大幅に上昇しており、現時点でも商品の値上げが続々を発表されていることを考えると当面実質賃金のマイナスは続くのではないでしょうか。

 

長年大きな物価の上昇を経験していなかった日本人は物価上昇に対してとても敏感です。20144月に消費税が5%から8%に上がった際には家計の消費が冷え込み、2014年度の消費支出(二人以上世帯前年比)は5.1%減と大きく落ち込み、年度ベースでプラスに転じるまで約3年を要しました。コロナウイルス感染拡大のインパクトが大きく印象は薄いかもしれませんが、201910月の消費増税の際も年明けまでは5%前後の個人消費の落ち込みが見られました。昨年10月に先行して商品の値上げした製パン最大手の山崎製パンでは、想定以上に販売量の落ち込みが大きく1月には低価格の新製品を投入するなど企業も対応に苦慮しています。

 

給与の額面に対する手取りの割合もかつてと比べて減少しています。皆さんの中でも給与・賞与の明細を見て以前と比べて、控除される金額が多いと感じる方も多いのではないでしょうか。実際、20年前と比べ、年収700万円、専業主婦と15歳以下の二人の子どもがいる場合のモデルで試算すると、ボーナスの社会保険料アップや定率減税の廃止、子どもの扶養控除の縮小・廃止などに伴い手取り額は590万円程度だったものから約50万円も減少しています。社会保険料の負担率は少子高齢化の影響もあり30年で1.5倍となっています。現在の日本の財政や人口構成を考えると社会保険料の負担率は今後も増加する可能性が高く、手取りの割合は一層減少していくことが予想されます。

 

名目賃金(額面)は伸び悩み、手取りの割合は減り、物価は上昇していくという家計の構造的な問題を考えると、今後の物価上昇局面において家計が生活防衛のため消費を抑制する可能性は高いと思われます。今後、政府・日銀がどのような政策を打ち出しこの局面を乗り越えるのか注目です。


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