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会社の存在が社会のプラスにならないのであれば解散してしまったほうがいい

今週の「言葉」
2022.08.05

出典: 松下幸之助『実践経営哲学』 (PHP文庫)

 

【実践経営哲学について】

わずか3人で細々と始めた事業を一代で世界的な企業に成長させた松下幸之助。その松下幸之助が60年近くの事業体験を通じて培った経営についての基本の考え方=経営理念・経営哲学をまとめ、1978年に発行された書籍になります。20項目にわたってその考え方が語られており、経営を志すものであれば、とても心に響く内容になっているだけではなく、自身の経営観を見直し、もう一段深いものとするための良書となっています。

 

【今週の言葉について】

『今週の言葉』はこの書籍の『使命を正しく認識すること』という項目に登場します。そこで以下のように話をされています。

「この会社がなくなったら、社会に何らかのマイナスをもたらすだろうか。もし何らのマイナスにならない、言い換えれば、会社の存在が社会のプラスにならないのであれば解散してしまったほうがいい。公の生産機関として社会に何らのプラスにもならないという事は許されない。」

 

このお話を少しわかりやすくするために次のようなことを考えてみました。

都心でコンビニをフランチャイズで1店舗やっている会社があったとします。仮にこのコンビニがなくなったとしたら、果たして地域の人は困るのでしょうか?おそらく困らない。それは、次に近いコンビニに行けばいいからです。そういった意味で、このコンビニをやっている会社は役に立っているかもしれませんが、代わりがいるという状態であって、なくてはならない存在にはなっていないと言えます。

 

松下幸之助は「役に立っているレベルではなく、なくてはならないレベルを目指せ」とこの言葉で言っているのだと私は解釈します。そして、なくてならないレベルを目指そうとすると、そこには使命が必要になると。

仮に次のようなコンビニがあったらどうでしょう。

『地域の多くの方々とのタッチポイントとなれることがコンビニの価値。その存在価値を活かし、地域をもっと明るくするために私たちは存在している。』

そのコンビニはそうした使命があることで『お客さまとの関係を重視する』、『よく来店するお客さまのことをしっかり覚える』、『常連客として対応する』などのような行動が生まれる可能性があり、そうすることで、その地域のお客さまからなくてはならない存在として支持される可能性が出てきます。

 

役に立っているレベルではなく、なくてはならないレベル。

自社の使命や存在意義が、なくてならないレベルのものとなっているのか一度考えてみてはいかがでしょうか。


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