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人間観、人生観に基づいた経営

経営のヒント
2023.03.31

早いもので東京では桜が散り始める季節となりました。来週は1週間、北海道帯広市に出張です。因みに帯広のある道東地方の桜の開花は例年ゴールデンウィーク前後になります。

 

今週の経営のヒント、新年度を迎えるタイミングですので、別のコラムでも書きましたが、新たなスタートを切る新社会人を迎える経営者、リーダーの皆様に向けてお話ししたいと思います。新入社員がいない会社であっても、新たな期を迎えるにあたり大切にしたいことという意味でお読み頂ければと思います。

 

「今期は〇〇億円達成するぞ!」などと、今どき数字だけで経営・マネジメントしている人はいないと思います。そういう時代もありましたね(私の20代はまだそういう時代でした)。

では経営とは何によって行うものか。

スキルも大切ですがそれだけでは長続きしません(担当者レベルではとても大切ですが…)。スキルだけで良い会社になるのであれば、世の中はもっと豊かになっていたはずです。「こうすればうまくいく」という正解が存在し、その気になれば努力に応じて向上します。本だけでなく動画でもいくらでもスキルを磨く方法は誰でもいつでも手に入ります。

 

では何か?例えば、経営の神様といわれる松下幸之助さんはその愛弟子の江口克彦さんによれば、「松下幸之助の経営の土台にあったのは人生観や人間観」と仰っています。或いは昨年惜しくも鬼籍に入られた稲盛和夫さんは終始「心に始まり心に終わる」と仰っていました。或いはスティーブジョブズ。彼は「マーケティングとは価値観だ」と語っていました。

つまり、成果をあげてきた経営者やリーダーは共通して“目に見えない何か”によって経営というものを自覚していたといえます。要すれば、経営とはどこまでいっても人間の人間による人間のための営みだということです。

 

したがって事業を通じて、仕事を通じて人を幸せにする、ということを“ド真剣”に追求する姿勢がないとおかしくなります。そこに必然、人間とはどのような存在か、生きるということは何か、死ぬということは何か、生きる喜びとは何か、人間の悲しみとは何か…、挙げるとキリがないですね。しかしこうした人間として生きる上での根本的な問いに私たちは向き合っていかなければなりません。チャットGPT、とても便利ですね。しかしそれに尋ねて得られた知識で語るわけにはいかないのです。人間は理屈や静的な知識では自らを動かせません。感化することもできません。

 

皆さまは新たに迎える社員、或いはこれまで苦楽を共にしてきた働く仲間を、新しい期に向けて、その人間を、人間の社会をどのようなより良い場所に導きたいでしょうか。そこには根本的に人間愛はあるでしょうか。

 

今年の新入社員は気の毒だと私は思っています。惻隠の情が発動してしまいます。高卒であれば3年間、大卒であれば4年の内の3年、顔の半分しか露出させず、青春の時期にしか体験できなかったであろう学友との様々な活動はコロナ禍で制限を余儀なくされました。だからこそ、一層の愛情で社会に、会社に迎えて差し上げたい。


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