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発展する企業の事例から感じたこと

知恵のバトン
2020.11.10

ここ最近で、地方に拠点を置く企業様で近年発展し続けている好事例をいくつか聞く機会がありました。その事例企業様に共通する要素を3点感じましたので、ご紹介したいと思います。

 

1.業界共通の困りごと・クレームの解決策を提案している

 

どの業界にも、以前から続いている商慣習、各社が共通して対応できていない難点、商品化・サービス化できていないことがあるものです。しかし、当事者もそれがわかっていながら、コスト面、技術的問題、人手の問題などで対応できずに、業界共通の困りごと・クレームとなっている難題と言えます。

 

逆に言うと、その難題に対して今まで実現化できていなかった解決方法に取り組み、商品化・サービス化して対応できるようにした会社は、大きな社会貢献になるということです。その社会貢献の大きさは、莫大な先行者利益となって還ってきます。

 

業界共通の「手の届かなかった」問題に対して解決するためのシステムを提示したという点が、話をお聞きした企業様の間で共通していました。

 

2.社会的な視点に立っている

 

好事例のどの企業様においても、自社の取り組みによって社会がよくなるという主張が印象的でした。最近声高に叫ばれている、ESG(環境・Environment、社会・Social、ガバナンス・Governance)の、ESのイメージです。

 

機関投資家も、たとえどんなに収益性が高くても、ESGを満たしていない企業は投資対象から外すと言い始めている社会環境です。今後は、その企業の事業が、どのような観点から社会性が高いと明確に説明できるのかが、様々な社内外関係者を好意的に巻き込みながら発展していくための大事な要素となるでしょう。

 

3.目的が明確である

 

上記2.とも関連しますが、事業の目的が明確に強力に謳われていることが印象的でした。これは、市場や社会ももちろんですが、社内外の社員・グループ企業など事業の関係者を巻き込む上で強力な武器となるでしょう。

 

最近「パーパス」という、聞きなれない横文字言葉が、各所で積極的に使われ始めています。「日本の人事部」の説明によると、「一般に「目的、意図」と訳される。近年、経営戦略やブランディングのキーワードとして用いられることが多く、企業や組織、個人が何のために存在するのか、すなわち「存在意義」のことを意味する。世界の先進企業においては、「パーパス」を明確に打ち出し、それを軸にしてコンセプト、戦略、社員の行動様式まですべてを統一する「パーパスブランディング」の手法を取り入れる動きが広がっている。」とされています。

 

米国のLinkedInの調査によると、「人々の生活や社会に対してポジティブなパーパスを掲げる企業で働くならば、給与が下がってもいい」と答えた人は全体の49%(ほぼ半数)を占めるという結果が出たそうです。そのうち「給与が15%下がってもいい」は20%。「520%下がってもいい」は19%。残りの10%は何と、「20100%下がってもいい」と答えたということです。(「日本の人事部」参照)

 

もちろん、米国と日本の違い、調査対象会社やその社員に偏りがある可能性などから、この数値は割り引いて考えるべきでしょう。その上で、これから社会人となる世代では、こうした傾向は一層強まるとも言われています。自社は何のために存在するのか、在籍する社員は何のために働いているのか、その組織の存在意義を意味する概念である「パーパス」は、今後の事業を発展させる原動力となる「人に対する求心力」をつくる上で不可欠でしょう。

 

上記1.2.3.は、どの企業にも参考になる視点だと思います。


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