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学びの共通点

経営のヒント
2021.12.10

KCクラブでは、経営の原理原則や、人間が何千年も正しいと考えてきたことを学びます。
つまり、正しい努力の積み重ねを支援すると言うことです。

この中で、とても重要な考え方があります。

それは、人間が何千年も正しいと考えてきたことと、経営の原理原則や、人間の幸福の科学的な部分がかなり共通していると言うことです。

共通点をリストアップして、これらの学びを紐付けて考えることが実はものすごい皆さんの中での学びを促進します。
この積み重ねが皆さまの学びのストックとなり、生きた知恵として皆さまの経営やビジネスを支えます。

脳細胞のつながりも、シナプスと言って相互に脳細胞がつながっています。このシナプスのつながりをイメージして、経営の原理原則や古典の学びをつなげていってみてはいかがでしょうか。

そのような観点から、今日はいくつかの共通点を紹介したいと思います。

 

 

■ドラッカーと生成発展

 

ピータードラッカーの書籍にでてくる「企業の存在目的は顧客の創造である。故に企業の活動はマーケティングとイノベーションに集約される。」という話は、松下幸之助さんや稲盛和夫さんがおっしゃっている生成発展の考え方に通じます。

生成発展とは、宇宙は発展していく。その発展を支援することにつながるビジネスは勝手にうまくいくようになっていると言うことです。

 

生成発展に貢献するビジネスとは、世の中が発展のために何を求めているかと言うことを認識した上で、それに貢献出来るように強みを伸ばしたマーケティングとイノベーションが実施されています。そして、宇宙が発展し続けるわけですから、発展し続ける宇宙に対しマーケティングとイノベーションを提供し続けることができる組織は、勝手にうまくいくと言う事でもあります。

 

ピータードラッカーのマネジメントにおいて
「企業の目的は顧客の創造である。企業が行うべきはマーケティングとイノベーションである」
と言っています。
顧客の創造とは、お客さまに対して商品サービスを提供しお客さまに選んでいただくと言う事でもあります。
要は、お客さま第一と言うこともできると思います。

 

このようにピータードラッカーと一倉定さんなど、様々な方がおっしゃられていることが煎じ詰めるとお客さま第一につながります。

大前提として、お客さまは企業の外の存在です。そして、企業の外の存在であるお客さまを集合するとそれは社会となり、さらに発展させると宇宙と言っても過言ではないかと思います。

 

松下幸之助さんも、実践経営哲学と言う書籍の「ことごとく生成発展と考えること」という項目の中で、

この大自然、大宇宙は無限の過去から無限の未来にわたって絶えずある生成発展を続けているのであり、その中にあって、人間社会、人間の共同生活も物心両面にわたって限りなく発展していくものだと思うのである。

中略

その中で我々は事業活動を営んでいるのだと言う基本の認識は、どんな場合でも極めて大切である。そういう明確な認識が根底にあってこそ、いかなる場面においても神に力強い経営を展開していくことが可能になるのである。

と述べていらっしゃいます。

このように、お客さま第一と生成発展のつながり、そこにはピータードラッカーや松下幸之助さん、稲盛和夫さん、一倉定さんなど様々な方々がお話ししている事の共通点があるように思います。

 

■仁の心と生成発展

 

論語における仁の心は、以下に表現されています。

子曰く、苟(いやしく)も仁に志せば、悪(にく)むこと無きなり。(里仁第四)

仁の心は安岡正篤先生の『論語の活学』から引用させていただくと
「天地が万物を生成化育するように、我々が万事に対して、どこまでもよくあれかしと祈る温かい心・尽くす心を指す」
「したがって、とにもかくにもその仁に志すようになれば、何事によらずその物と一つとなって、その物を育ててゆく気持ちが起こってくる。」
ということです。

万物にたいしてよくあれと願うこころがあれば、自然と何事にも好感が持てるようになるということです。

 

『論語の活学』に紹介された例では、幕末の鹿児島の貧乏暮らしの変わり者の例で、ある冬の寒い夜に自宅に入り込んだ泥棒に対して「逃げなくてもよい、泥棒も寒いのに大変だなあ」と声をかけて、泥棒がびっくりして尻もちをついてお辞儀をした、というこいとです。
自らも貧乏暮らしの中で、自宅に入った泥棒にも「悪むことなきなり」で対応したということです。

生成化育とは、生成発展とほぼ同義の言葉であると言うことから、経営の原理原則と古典の共通点を感じます。

仁の心をもってビジネスを行うことは、競合他社とも共存共栄を考えると言う意味では、実践経営哲学に松下幸之助さんが記載されていることに、ここでも通ずる部分もあり、経営の原理原則と人間が何千年も正しいと考えていたことの共通点をここに見いだすことができるのです。

 

 

今日ピックアップさせていただいた生成発展と言う言葉は、お客さま第一や仁の心など論語、その他様々な古典においても出てくる概念です。

冒頭でも述べましたが、正しい努力の積み重ねとして、経営の原理原則を学ぶことや、人間が何千年も正しいと考えてきたこと、つまり古典を学ぶことにおいても、相互に共通点があります。このようなことを通して考え方を磨きながら新聞を読むことによって、よりバージョンアップされた考え方で世の中を洞察することができるようになるのだと思います。

このように、何か学びのある本を読んだ際に、ご自身の他の学びと共通する部分はあるかどうか
結び付ける考えをしてみることは、学びを深めることにつながります。

学びがあったときに、共通点になり得る事柄をメモして紐付けてみると言う読み方は学びをより楽しく実践的にすることにつながると考えます。

ぜひ、一緒に取り組んでみてはいかがでしょうか。学びの共通点についての意見交換を皆さんとさせていただく日を心待ちにしています。


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