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「One of Them」と「それがすべて」

知恵のバトン
2023.08.22

一消費者としてサービス(飲食提供や、物販での各種案内・説明など)を受けているとき、オペレーションを「“流して”やっているな」「機械的にやっているな」と感じる場面に出くわすときがあります。そうなると、その中身(モノ・サービス)が良くても釈然としない気持ちが残り、トータルの体験としてはマイナスになることがあります。

この「流して」「機械的」とは一体何なのでしょうか。
1つには、人の「慣れ」、そこからくる内向き志向があるのではないかと思います。
たしかに、業務・オペレーションにおける「慣れ」は大事で、効率性や質の向上・均一化に一定寄与しますが、意識が行き過ぎると、それが(ネガティブな意味での)「こなす」になり、「時間内にどれだけ行うか」「短時間で行うか」が強く出て、「お客さまはおいてけぼり」の状態になるのではないかと思うのです。
彼ら(提供側)からすれば、私(一消費者)はその他大勢のお客さまの一人でしかなく、「One of Them」になりがちです。ですが、私(一消費者)の立場からすると、今まさに直面している場面・時間やモノ・サービスこそが「すべて」です。
この両者の意識ギャップやその後のモヤモヤした気持ちは、もちろん、その体験の希少性や代替性などによって程度の差はありますが、そもそも生じやすいものであり、提供側において目標管理のもと、稼働率や人時生産性などが強く意識されると拡大しやすい気もします。

ではどう対処するのがよいか。
「慣れ」によるマイナス影響を低減させるための仕組みや仕掛けとして、顧客満足の大事さを意識させる行動規範であったり、個人目標管理において行動目標を掲げたりすることが行われているものと思います。
これらに加えて、「慣れをつき壊すもの」を意識的に取り入れ、「慣れ」のステージを上げていく発想が大事なのではないかと思います。具体的には、外圧という観点では、クレームを始めとしたお客さまの声、第三者による評価・意見であり、内圧という観点では、独立した部署・人間による定期的な社内点検や、部署同士の相互チェックなどです。

以上は主に、対消費者向けのサービス業を念頭に述べてきましたが、「One of Themからの脱却」「慣れをつき壊すもの」との発想は、対事業者向けやサービス業以外でも、念頭に置いて損はないと思いますし、さらに言えば、対外的なものだけでなく、社内においても報連相を始めとしたコミュニケーションやオペレーションの場面においても、現状を改善しようと思うときに有益なのではないかと思います。


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